皆さんこんにちは。前回はがんの療養生活を支える社会保障の仕組みとして「
介護保険制度」について、その制度の成り立ちを取り上げました。さっそく今
回から、介護保険の制度の中身についてご説明します。
 
まずは、介護保険制度はどこが「運営」しているかということですが、運営の
主体(保険者)は住民に一番近い「市区町村」です。制度の整備やサービスの
確保も同時に担っています。運営に必要な「財源」は、「保険料」と「税金」
です。私たち市区町村に住む住民(被保険者)の「保険料」が、財源全体の
50%となっています。また、「税金」も財源全体の50%を占めており、その税
金の内訳としては、国の支出の税金が25%、都道府県が12.5%、市区町村
12.5%という内容です。また、75歳以上の高齢者の比率が高い市区町村や所得
が全国平均よりも低い水準にある市区町村については、調整交付金というもの
で市区町村の格差が調整されています。
 
さて、この介護保険制度において、介護保険制度を利用できる人(被保険者)
はどのような人なのかを説明します。この被保険者は「第1号被保険者」と「
第2号被保険者」の2つに分けられます。

<第1号被保険者>
・対象者…65歳以上の全ての人
・受給の要件…要介護者(常時介護を要する状態の人)、要支援者(虚弱な高
齢者)
・保険料の負担額…所得段階別の定額保険料(所得段階は市区町村によって差
がある)
・保険料の徴収…公的年金からの徴収(特別徴収と普通徴収の方法がある)
<第2号被保険者>
・対象者…40歳以上から65歳未満で、公的医療保険制度に加入している人
・受給の要件…「特定疾病」が原因により常時介護を要する状態や虚弱状態に
ある人
・保険料の負担額…加入している各公的医療保険制度の規定に基づいた保険料
・保険料の徴収…医療保険者が医療保険料として上乗せして徴収

第1号被保険者の2015~17年度の介護保険料は、平均で約5500円/月額。第2号
被保険者の2016年度の介護保険料は、平均で約5300円/月額となっており、要
介護者の増加とともに保険料も増加傾向です。また、第2号被保険者の受給要
件にある「特定疾病」は、国が認めた65歳未満でも介護保険制度が適応される
16疾病のことで下記の通りです。

【特定疾病(16疾病)】
・がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがな
い状態に至ったと判断した状態) ・筋萎縮性側策硬化症 ・後縦靭帯骨化症
 ・骨折を伴う骨粗鬆症 ・多系統萎縮症 ・初老期における認知症 ・脊髄
小脳変性症 ・脊柱管狭窄症 ・早老症 ・糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症
および糖尿病性網膜症 ・脳血管疾患 ・進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核
変性症およびパーキンソン病 ・閉塞性動脈硬化症 ・関節リウマチ ・慢性
閉塞性肺疾患 ・両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
 
上記のように対象になる条件を満たした第1号被保険者と第2号被保険者が、市
区町村役場の「介護保険担当窓口(高齢福祉課・介護保険課など)」で「申請
」することにより、はじめて介護保険制度が利用できるようになります。その
条件に該当すれば自動的に制度が活用できる訳ではなく、自ら申請をして制度
を利用できる状態にしなければいけませんので注意が必要です。これを「申請
主義」といいます。
さまざまな身体的、精神的な変化をもたらす「がん」に対して、介護保険制度
が暮らしを支える手段の1つであることを説明しました。ちなみに、被保険者
は3カ月を越えて在留する外国人で日本国内に住所を有する人(外国人住民)
も対象にしています。次回からは申請手続きについてご説明します。

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社会福祉士
佐々木

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