前回からのつづき
ただ、今の保険医療では、転移しているかもしれない画像診断に映らないような小さながんに
対して、できる治療は抗がん剤しかありません(乳がんや前立腺がんなどはホルモンなどもあ
る)。

抗がん剤は、最近分子標的薬など、がんを狙い撃つ優れたものがたくさん出ていますが、そ
れでも副作用は避けられません。そのため、転移しているかどうか分からないがんに対して、
転移の可能性が高い場合にしか抗がん剤を使いません。つまり、転移の可能性が低いがん
に対しては、基本的には何もしません。5年間の経過観察です。(ステージに関わらず転移を
しないがんというのは存在しません。転移する前にがんが見つかるか転移した後にがんが見
つかるかの違いです。そして転移を100%見つけてくれる検査は存在しません)。

その結果、冒頭にも書いたように、死亡者数から見るとがんにり患すると6~7割の人ががん
で亡くなるという結果になっています。

がん治療は本来「起こることを待って行動する」よりも「起こるかもしれないことにそなえて行
動する」方が良いはずです。

なので、手術などの後、体内にがんが残っている可能性がある状態で5年間そのがんが大き
くなるのを待つよりも、あるかもしれないがんに積極的に治療を考えることがん治療で最も大
事なことだと私たちは考えています。

保険診療内でそういった治療ができるのであればガイドラインに乗っ取ってそういった治療を
受けるべきだと思いますが、保険診療以外でも良い治療があるのであれば、積極的にそうい
った治療を受けることを検討してみるべきです。

今の保険医療では、診療ガイドラインというマニュアルがあり、そのマニュアル通りの治療で
す。そのマニュアルは優れたものであり、高いエビデンスに乗っ取って信頼のある治療を選ん
でくれます。

患者さんはセカンドオピニオンに行くと、「もっと画期的な治療を教えてもらえる」と思って行き
ますが、優れたマニュアルがあるのでセカンドオピニオン先に行ってもマニュアル通りの回答
しか得られないことがほとんどです。つまり、担当の主治医と同じ回答が返ってくるということ
です。そのため、保険診療を行っている先生からは、重粒子線などの先進医療や遺伝子治療
や免疫細胞療法などの先端医療といった選択肢を示してくれることは基本的には少ないでしょう。

そういった治療を受けるためには、自分で探し求めて、自分でそれ専門の病院やクリニックに
行かないとたどりつくことができません。
つづく

がん専門コンサルタント
竹内 規夫

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