さて、今回はいったん抗がん剤の副作用から離れ、腸内環境の話をしようと思います。腸内フ
ローラという単語が少し前メディアでも取り上げられ、さまざまな反響を呼んでいましたが、腸
内フローラとは一体なんなのでしょうか。

■腸は人体最大のリンパ組織
からだの免疫力をつかさどるリンパ組織、その最たるものは腸だといわれています。腸には
なんと数百種類の腸内細菌が600兆個存在するといわれています。その腸内細菌のかたまり
がまるで腸内の壁面に花畑のように群生していることから、腸内フローラといわれるようにな
りました。この腸内細菌はただ存在しているだけではなく、わたしたちにさまざまな影響を与え
ることがわかってきています。たとえば、腸内細菌のパターンによって肥満になるかどうかが
決まっている可能性がある、というネズミを用いた研究論文が2006年Nature誌に掲載され大
きな話題になりました。肉類に含まれるリン脂質や食物繊維を腸内細菌がどう分解するかが
動脈硬化の発症や進展、予防に大きな影響を及ぼしたという報告や特定の菌株が含まれた
ヨーグルトの摂取で高齢者の風邪り患率の低下、アトピー性皮膚炎の発病率の低下などの
報告もされています。

■プロバイオティクスとプレバイオティクス
プロバイオティクスという言葉を聞いたことがあるでしょうか。最近はヨーグルトのCMなどでも
一般的にいわれるようになり、なんとなく聞いたことがある、という人も多いのではないでしょう
か。プロバイオティクスとは腸内細菌フローラ、とりわけ人体に良い影響を与える菌株のこと
をいいます。これを口から摂取して腸内環境を正し、より良い影響を享受しよう、というコマー
シャルをしているわけですね。一方、プレバイオティクスという言葉があります。プレバイオティ
クスとは菌以外のもので腸内細菌へ良い影響を与えるものを指します。具体的にはオリゴ糖
や食物繊維が挙げられ、プロバイオティクスとプレバイオティクスを合わせて行うことをシンバ
イオティクスといわれ、より相乗効果が得られると考えられています。

■抗がん剤とプロバイオティクス
がん化学療法中は骨髄抑制や抗がん剤の細胞傷害作用により免疫力が低下することを今ま
での記事で話してきました。特に白血病などの強力な化学療法後では好中球がほぼ全滅し
てしまうことから感染症の対策が非常に大切であること、さらに食欲低下や吐き気でやむなく
絶食し、点滴での栄養管理が行われることで腸内環境の乱れが起きてしまうこと、そもそも抗
がん剤自体が腸内環境に与える影響も懸念されています。この分野に関してはまだわからな
いことが多くありますが、次回、現時点で報告されている内容を中心にいろいろと解説をして
いきたいと思います。

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薬剤師
深井

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