精巣腫瘍(せいそうしゅよう)は睾丸腫瘍(こうがんしゅよう)ともいい、男性器の精巣
の細胞から発生する悪性腫瘍です。10歳までの幼少期や60代以降の男性のほかに20~40代
の若い男性に好発しやすいことが特徴です。今回は精巣腫瘍の種類やリスク要因、予防法
についてご説明します。

■精巣(睾丸)の働き
精巣は男性器の1つで股間部分の陰嚢(いんのう)とよばれる袋のなかにある卵の形をし
た左右に1つずつある臓器です。精巣は複数の細胞によって男性ホルモンを産生・分泌す
る役割を担っています。

■精巣腫瘍の種類
精巣腫瘍は比較的、予後の良いがんになります。精巣細胞のがんの形によってセミノーマ
・非セミノーマに分類することができます。
1.セミノーマ
放射線療法や化学療法の効果が得やすい特徴を持ち非セミノーマに比べると治療後の予後
も良好で、精巣腫瘍の50%はセミノーマに分類されます。セミノーマの細胞型のなかにそ
の他の腫瘍の成分が含まれている場合は非セミノーマに分類されます。
2.非セミノーマ
組織の種類によって胎児性がん・奇形がん・絨毛がん・卵黄のう腫などの種類に分類する
ことができますが、複数の種類が混在しているケースも多くあります。
多くの場合は病期Ⅰの段階で発見されますが30%程度に目に見えない転移があると考えられ
ています。手術療法や化学療法が治療法のメインとなります。

■精巣腫瘍のリスク要因 

1.家族歴 
家族のなかに精巣腫瘍にかかった人がいる場合、精巣腫瘍のリスクが他の人に比べて高く
なることが分かっています。

2.停留精巣 
精巣が陰嚢内に降りてこず、鼠径部や腹腔内に留まってきちんと陰嚢内に収まっていない
病態で乳幼児の先天的な疾患です。正常な人に比べて3~14倍にリスクが上昇し、片方に停
留精巣がある場合にはもう一方の精巣も腫瘍ができるリスクが高くなります。
3.不妊症や精巣の発育不全 
不妊症そのものが精巣腫瘍に直接のリスク要因ではありませんが、精巣の発育不全は精巣
腫瘍のリスク要因となることが分かっています。発育不全によって精巣機能が低下するた
め不妊症になりやすくなってしまうため精巣嚢腫との関わりがあることは確実です。

■精巣腫瘍を予防するには
精巣腫瘍を予防するには規則正しい生活やバランスの良い食事を心がけ、免疫力を高める
ことが大切です。また、EBウイルスや耳下腺睾丸炎などの感染症もリスク因子の1つにな
ることが分かってきていますので早期の治療を行うことが大切です。

■まとめ
精巣腫瘍は10歳までの幼少期や20代以降の若い世代に起こるがんです。比較的に予後が良
いとされるがんですが、停留精巣や精巣の発育不全がある場合には定期的に診察を受け経
過を観察することが大切です。

臨床工学技士
宮座 美帆

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