今回は肺がんと肺がんがうたがわれるときに行う検査について、説明していきたい
と思います。

■肺がん
1. 肺がんについて
肺がんとは、肺や気管・気管支を起源として発生する悪性腫瘍の総称で、細かく分
けると扁平(へんぺい)上皮がん、腺がん、小細胞がん、大細胞がんに区別されま
す。そのなかでも扁平上皮がんは比較的に予後がよく、小細胞がんは最も予後が悪
いとされています。また、肺はガス交換を行うところであり、血管も豊富なことか
ら血行性転移もしやすく、肺がんのなかでも転移性肺がんが頻度としては一番多く
なります。

2. 検査について
肺がんを検出する上での検査としては、胸部X線検査やCT、喀痰での細胞診がメジャ
ーです。また、腫瘍マーカーですが、この検査は肺がんを検出するというよりは、
がんの進行度合いや治療効果の判定、再発の有無を目的として使用されることが多
いです。

3.肺がんで検査する腫瘍マーカーについて
3.-1 CYFRA21- 1(シフラ:サイトケラチン19フラグメント)基準値3.5ng/mL以下
がん患者はシフラの血中濃度が上昇することが知られており、特に肺の非小細胞が
ん(扁平上皮がんや腺がん)に有用な腫瘍マーカーになります。しかし、婦人科関
係のがんでも上昇をみることがあります。理由はサイトケラチン19が上皮性細胞に
広く分布しているためです。

3.-2 CEA(がん胎児性抗原) 基準値 5.0 ng/mL以下
消化器がんとして発見された腫瘍マーカーで、上昇する要因として大腸がん、胃が
ん、肺がんなど多数のがんで上昇を認めます。そのため、検査値の意義としては、
術後や治療の経過観察を目的として使用されます。

3.-3 SLX(シアリルLx-i抗原) 基準値 38.0 U/L以下
肺腺がんをはじめとする腺がん(胆嚢がん、膵がん、卵巣がんなど)において上昇
する腫瘍マーカーです。また、特徴として血液型の一種であるLewis血液型の影響受
けない点があります。

3.-4 SCC(扁平上皮がん抗原) 基準値 1.5 ng/mL以下
子宮頸部扁平上皮がんの肝転移より発見された腫瘍マーカーで、子宮を始め、肺や
食道、皮膚などの各扁平上皮がんで上昇を認めます。また、正常な扁平上皮細胞に
も含まれているが、がん性のものはpHの違いで酸性に傾くことが知られており、こ
の検査では酸性側のSCCを検出している。

3.-5  TPA(組織ポリペプチド抗原) 基準値 75 U/L未満
臓器特異性が低くさまざまながんで上昇を認めるため、特定のがんとしての指標と
はなりません。しかし、細胞増殖が活発な正常組織にも認められることから、がん
の細胞増殖を反映するため、治療経過の把握に使用されています。また、良性腫瘍
な場合もTPAを上昇しますが、悪性疾患とは違い一過性とされています。

3.-6  NSE(神経特異エノラーゼ) 基準値 16.3 ng/mL以下
グルコースを分解する過程での酵素であるエノラーゼで主に神経細胞などに多く含
まれることから神経特異エノラーゼと呼ばれています。上昇する要因としては肺小
細胞がん(肺小細胞がん抗原は発生学的に神経内分泌細胞が起源のため)、神経芽
細胞腫、神経内分泌系細胞腫瘍での上昇を認めます。

3.-7  ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体) 基準値 81.0 pg/mL以下
ProGRPは肺小細胞がんに高い陽性率と特異性を示す腫瘍マーカーになります。また
、何年か前までは上記のNSEが肺小細胞がんに有用な腫瘍マーカーとされていました
が、ProGRPではNSEに比べて、①健常者とがん患者との血中濃度差が大きい点、②比
較的に早期のがんでも陽性率が高い点からこちらの検査が主流となっています。

4.まとめ
肺がんは特徴的な症状がなく、主に咳,喀痰,血痰,発熱,呼吸困難,胸痛といっ
た呼吸器症状をきっかけに発見されることが多く、症状で発見された肺がんは検診
での発見された肺がんよりも予後が悪いとされています。そのため、年一回は検診
を受けることと、喫煙は明らかに肺がんのリスクを高めるため、愛煙家の皆さんに
は禁煙をお勧めします。

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臨床検査技師
朝野

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