頭頸部(とうけいぶ)がんは脳や脊椎、眼窩内を除く首から上にできる悪性腫瘍の総称です。からだ全体にできるがんの約5%の割合で起こるがんで、生活習慣やウイルスによって発症するといわれています。今回は頭頸部がんの中でも代表的ながんのリスク因子と予防法をご紹介します。

口腔がん(こうくうがん)

【リスク因子】
口の中の粘膜や舌、口底、歯肉、上あご・下あごなどの硬口蓋(こうこうがい)・軟口蓋(なんこうがい)にできるがんです。がん発生の原因は不明ですが喫煙や飲酒・熱い食べ物や飲み物・偏食・むし歯・入れ歯による口腔の粘膜の刺激などがリスク因子となります。

特に喫煙は口腔がん発症のリスクを高める最大の要因になります。HIV(ヒトパピローマウイルス)も口腔がんに発症に関連しています。

【予防するために】
口腔がん予防には歯磨きをきちんとして口腔内を清潔に保つことが欠かせません。禁煙は大幅なリスク減少になり、過度の飲酒をやめること、栄養バランスのよい食事やビタミンC、E、β-カロテンをとることで予防に効果があります。

咽頭がん(いんとうがん)

【リスク因子】
鼻の奥から食道にかけてできるがんで腫瘍ができる部位によって上咽頭がん(じょういんとうがん)・中咽頭がん(ちゅういんとうがん)・下咽頭がん(かいんとうがん)に分類されます。

下咽頭がんが咽頭がんの約60%を占めており40歳以降の男性に多く発症するがんです。喫煙や飲酒が一番のリスク因子となり、熱い食べ物や飲み物を好む人、貧血、EB(エプスタインバー)ウイルスによっても発症することがわかっています。

【予防するために】 
禁煙や過度のアルコール摂取、熱い食べ物・飲み物などは控えましょう。最近ではビタミンやβ―カロテン・鉄分を含む野菜や果物の他に、コーヒーががん予防に効果があることがわかっています。

喉頭がん(こうとうがん)

【リスク因子】 
喉ぼとけがある声帯付近にできるがんで声門上がん(せいもんじょうがん)・声門がん(せいもんがん)・声門下がん(せいもんかがん)に分類され50~80代の男性に多く発症します。

咽頭がんなどと同様に喫煙や飲酒などが要因になるほか、大きな声を出すなどの喉を酷使している場合やアスベスト、HIVなどもリスク因子となります。

【予防するために】 
咽頭がん同様に禁煙や過度のアルコール摂取は避けましょう。辛い物や熱い食べ物や飲み物の過剰摂取を避けることで喉頭がんの他に、胃がんや食道がんの予防にも効果があります。またウイルス感染によるがん発症を防止するためオーラルセックスは控えましょう。

今回は代表的な頭頸部がんのリスク因子と予防法をご紹介しました。どのがんも発症には喫煙や飲酒が大きな要因になり、熱い食べ物や飲み物やウイルスもリスク因子です。頭頸部がんの予防には、まずは禁煙をして規則正しい生活や栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。

臨床工学技士
宮座 美帆

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