腎細胞がんは50~70代の男性に好発するがんの1つで、長期的に人工透析を受けている患
者さんにみられる疾患に合併することが多いがんです。今回は腎細胞がんの特徴やリスク
要因・腎細胞がんの予防方法についてご説明します。

■腎臓の働き
腎臓は、後腹膜腔(こうふくまくくう)に位置する左右一対の臓器で、血液をろ過して尿
を作る働きや血圧のコントロールをする働き、老廃物の除去や血を作るホルモンの生成、
ビタミンDの活性化を行っている臓器です。
腎細胞がんは、腎臓にできるがんの中でも腎実質の尿細管の細胞が悪性腫瘍になったもの
をいいます。

■腎細胞がんの特徴と症状
前述したように50~60代に好発するがんで、女性に比べて男性の方が約2倍のり患率です
。腎細胞がんは腎臓にできるがんの全体の9割を占め、尿の通り道である腎杯(じんぱい
)や腎盂(じんう)にできる腎盂がんとは異なります。
初期症状はほとんどなく進行するにつれて、血尿や疼痛と呼ばれる激しい痛み、発熱、倦
怠感、体重減少などの症状が現れます。

■腎細胞がんのリスク要因
腎細胞がんは、がん発生の要因となり得るものが複数分かっています。大きな要因として
喫煙や糖尿病が挙げられ、遺伝子異常で起こる疾患や腎臓に関する疾患も要因となること
が分かっています。

1.喫煙と肥満
喫煙は腎細胞がんのリスクが2倍になることが分かっており、すべてのがんのリスク要因
でもあります。また肥満は、糖尿病のリスクを高め、高血圧や高血圧の治療に用いる降圧
薬などの使用も腎細胞がんのリスク要因となります。

2.フォン・ヒッペル・リンドウ病(VHL病)
がん抑制遺伝子であるVHL遺伝子が何らかの異常により、複数の臓器で血管が異常に増殖
する疾患です。脳脊椎の血管腫や脾臓(ひぞう)、肝臓、肺に多発性の腫瘍を形成します。

3.後天性多発性嚢胞腎(こうてんせいたはつせいのうほうじん)
後天性多発性嚢胞腎(ACDK)は腎不全が進行し嚢胞が両側の腎に発生した疾患で長期間
の透析を行っている患者さんの多くに認められ、腎細胞がんを合併しやすい疾患です。

4.カドミウムなどの重金属、トリクロロエチレンなどの有機溶媒
仕事でカドミウムやトリクロロエチレンを扱うクリーニング業者や工場勤務の仕事を長期
間勤務していた場合には職業性暴露によって腎細胞がんのリスクを高める可能性があります。

■腎細胞がんを予防するには
腎細胞がんの予防には禁煙することが大切です。また糖尿病や高血圧の予防のために適度
な運動や食生活の見直しを行い、肥満の改善や肥満にならないように注意しましょう。腎
細胞がんのリスク要因となる疾患がある場合には定期的に検査を受けることが大切です。

■まとめ
腎細胞がんは長い期間で透析を受けていることでリスクが高くなるがんです。
しかし、普段から禁煙を心がけ生活習慣を見直すことで腎細胞がん発症のリスクを減らす
だけでなく糖尿病のリスクも減少することができますので、まずは規則正しい生活を心が
け定期的な検査を受けましょう。

臨床工学技士
宮座 美帆

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