今回は胃がんと胃がんがうたがわれるときに行う検査について、説明していきたい
と思います。

1. 胃がんとは
胃がんは早期がんと進行がんに分けられますが、簡単に胃粘膜の成り立ちについて
説明したいと思います。
胃の粘膜は5層になっており、食べ物や飲み物等が触れる部分を粘膜層といい、胃の
一番表層になります。また、最後の5層目は漿膜(しょうまく)下層と呼ばれます。
そこで、早期がんと進行がんの違いですが、悪性腫瘍がどこの層まで到達している
か、リンパ節転移があるかによって分類されています。また、読んで字のごとくで
すが、早期がんの方が進行がんよりも予後は良好となります。

*リンパ節とは…外界から皮膚などを通して体内に侵入してきた病原体(抗原)を
捕まえる、または退治する抗体が集まった防衛基地のような場所です。そこで、な
ぜリンパ節転移が重要かというと、がん細胞は血液を介して、全身を駆け巡るだけ
ではなく、血管内と血管外を巡っているリンパ管にも侵入してしまうため、手術時
にどこまでがんの部位とその周囲の組織を切除すればいいのかを決定するときに重
要になるためです。

2. 胃がんの検査について
胃がんの検査では、胃X線検査(バリウム検査)や血液検査、内視鏡検査、注腸造影
検査、CT、超音波などが行われます。特に内視鏡検査では腫瘍が見つかった場合、
それを切除して病理検査に出されます。


3. 胃がんで有用性の高い腫瘍マーカー

一般的には、CEAやCA19-9などが検査されますが、ここでは腫瘍マーカーの中でも有
用性が高いとされている腫瘍マーカーを説明したいと思います。また、有用性が高
いとは、その腫瘍マーカーの検査値が高いとそのがんに対しての疑いが強いという
意味になります。

3.-1 STN(シアリルTn抗原) 基準値:45.0 U/mL以下
卵巣がんや胃がんに対して上昇する項目ですが、優位な点はSLX(がんと検査シリー
ズ2に記載)よりも初期の段階で細胞が悪性化した際に上昇してくる項目になるので
よりがん細胞に特異的な点で注目されています。また、胃がんに関しては特に再発
胃がんに対して高い陽性率が認められているため、再発予知マーカーとして検査さ
れます。

3.-2 CA72- 4 基準値:8.0 U/mL以下
消化器がんや卵巣がんなどで上昇する項目になりますが、良性疾患や健常者での上
昇はほとんど認められないため前述したSTNと同様にがん細胞に特異性の高い腫瘍マ
ーカーとなります。

4.まとめ
り患率の高い胃がんですが、食生活では塩分が多い食品の過剰摂取や野菜、果物の
摂取不足、または喫煙やヘリコバクター・ピロリ菌の持続感染が胃がんになるリス
クを高めるとされています。また、検査値だけで、がんとは判断し難いため腫瘍マ
ーカーで異常があった際には、不安かとは思いますが医療機関を受診することをお
すすめします。

臨床検査技師
朝野
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