今回は抗がん剤により起こるしびれについてお話したいと思います。これは非常に厄
介な副作用であり、がんに関わる医療者向けの学会ではほぼ必ずといっていいほど毎
回さまざまな議論がなされています。しかし、現時点では万人に有力な対応策が定ま
っておらず、効くかもしれない、というレベルの対応策を順次試していくことになります。

■ しびれが起きる抗がん剤

とはいえ、しびれはどの抗がん剤にも起きるわけではありません。
・ タキサン系(パクリタキセル、ドセタキセル)
・ プラチナ系(特にオキサリプラチン、カルボプラチン)
・ プロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブ)
・ ビンカアルカロイド系(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エリブリンなど)

などの抗がん剤に特徴的に現れます。
その程度は4段階にわけて評価されています。

 Grade1:症状がない
 Grade2:しびれるのを感じる
 Grade3:しびれのため、日常生活に支障がある
 Grade4:生命を脅かす

このGrade3はよく、「ボタンをしめられない」「リモコンなどの細かいボタンをう
まく押せない」「落ちた小銭を拾えない」などで判断されます。しびれが起きてしま
った人からは「正座をした後の足みたい」「薄い手袋一枚を隔てているようだ」など
と表現されています。

■ 冷感刺激痛を伴うオキサリプラチン
大腸がんや胃がんの治療や再発予防で用いられるオキサリプラチンは特にしびれを誘
発することが多い薬剤です。特徴的なのは投与直後〜数日、冷たいものに触れるとビ
リっとした電撃のような痛みが走る急性期のしびれと、投与回数を重ねるごとにしび
れが残って感覚が麻痺していく慢性期のしびれがあること。オキサリプラチンを投与
する場合は、投与から数日間は冷たい飲料、アイス、クーラーの冷風の直撃などは避
けるようにお願いしています。ためしにアイスを食べてみようとするような人もいま
すが、この急性期にしびれを起こすことが慢性期に残るしびれを強くする原因になる
ともいわれています。どうか避けていただければと思います。

■ 使われるのは抗うつ薬や神経保護薬
こういったしびれの対症療法としてプレバガリンという神経痛の薬、麻薬性鎮痛薬以
外に抗うつ薬が使われます。「えっ、抗うつ薬?」と驚かれる人は非常にたくさんい
らっしゃいますが、もちろんうつに対して使用するわけではありません。驚かれるの
も無理もないことですが、しびれに関連する神経伝達物質がうつにも関係があるため
効果があると言われています。もちろん始めたら二度とやめられないなどというよう
な薬でもありません。副作用としては吐き気や眠気、口の渇きなどが考えられますが
、多くは服用後数日で改善します。

しかし、これらの薬を活用しても効果が現れるのは3割以下というところが難しいと
ころです。薬をやめたり変えたりした後、徐々に自然に軽快していくことも多くあり
ますが、人によってはいつまでも残ってしまい、対応に苦慮することもあります。
難しいしびれの副作用ですが、強く副作用が現れてしまってからでは対症療法も効果
が得にくくなってしまいます。できればGrade1~2の段階ですぐに医療者へ症状を訴え
ていただくことをお願いいたします。

薬剤師
深井

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