これからのがん診療の未来像について、のぞいてみましょう。

がんのスクリーニング検査について、線虫を用いて尿検査で行うという画期的な方
法が研究されています。線虫という小さな虫が、がん細胞の発する匂いを嗅ぎ分け
るというのです。

検査は侵襲性があるかがポイントになります。尿検査であれば、痛い思いや放射線
被曝をしなくても良くなり、がん検診が楽に安く受けられる未来が訪れるかもしれ
ません。

ただし、実用化までの障壁もあります。元の論文を読んだところ、がんでなかった
場合にもがんと間違えてしまう(偽陽性)可能性があるようです。また、治療する必
要のないがんまで見つけ過ぎてしまう可能性もあります。線虫を使った検診を導入
し、実際にがんによる死亡率が下がるかがこれからの論点です。

画像診断領域ではAI(人工知能)の進出が進んでいます。画像診断は医師の経験によ
るところが大きく、思わぬ見落とし例も少なくないと聞きます。それを改善するた
めにAIによる機械学習を使って、画像を網羅的に調べてがんの疑いを拾い上げる取
り組みがなされています。

あたかも全自動で済みそうですが、画像診断は見えるものを拾うだけでなく、それ
を医学的にどう解釈するか、どう治療方針を立てるかが重要です。しばらくはあく
まで診断補助ツールとして活用されることが予想されます。

同様に2016年にはAIを使った白血病治療が話題になりました。人間が覚えられるよ
りはるかに多くの過去の論文をAIにインプットすることで、目の前の患者さんに最
適と考えられる治療法を提示できたという例です。医師がいらなくなるような感覚
があるかもしれません。しかし人間が新しい発見をして論文を増やすことがAIを活
用する上で必須なのです。
AIとの共存がこれからのテーマです。

技術が進歩するほど、画一的な治療では通用しない世界になると考えられます。今
まで以上に医師が患者さん自身の希望をくみ取り、最新の情報を提供して意思決定
をしていくことが必要になります。

このような目覚ましい技術革新の一方、医療現場にはまだIT化・自動化ができてお
らず、アナログな領域がたくさんあります。病院間のやり取りもまだ紹介状などの
紙媒体がベースになっています。医療にITやシステムを導入することで、医師・看
護師・薬剤師などの専門職が、より専門的な仕事に専念できる環境作りが求められ
ると感じます。

内科医
村本

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  1. survivor 2018 greece より:

    Hello.This post was really interesting, especially since I was investigating for thoughts on this subject last Monday.

    https://survivalbunker.wordpress.com/

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