ある日、会社帰りに電車に揺られていると、母から電話がかかってきました。
普段は電話なんてあまりしない母なのに、何事かと思いながらも「今電車で電話できない。どうしたの?メールじゃダメ?」とメールを打つと、「お父さんと連絡が取れません」とだけ返ってきました。

そう言われても、私から父に連絡してみたところで、母からの連絡に気付いていないならば、結局気付かないんじゃないかと思い、「何があったの」と聞いてみました。

すると「急性虫垂炎になりました。今病院です。どうにかお父さんと連絡とって病院に来てもらうように言って」と返信がありました。

一瞬、状況が飲み込めませんでした。
虫垂炎?虫垂炎って盲腸??
急性盲腸??
ええっと、母は今乳がんで、乳がんで、盲腸???
といった具合に電車内で混乱していると、しばらくしてから、今度は父から連絡が入りました。

「お母さんは急性盲腸で今晩手術する事になりました。お父さんが付き添うから2人(私と妹)は家にいて犬の面倒をお願いします。明日の朝病院来て」

この連絡が来たということは、無事母とは連絡が取れたらしい、と分かり、「了解」とだけ返して帰宅しました。

盲腸の様子は心配でしたが、夜の病院に大勢で押しかけるわけにいかないし、家の事もやらなければならないので自宅待機で父と連絡を取りました。

父は「何時になるか分からないから寝てて良い」と言ってくれましたが、気が気ではなく、結局ずっと起きていました。
2時ぐらいに父が帰ってきました。私も妹も起きてお喋りしていましたので、父から母の様子を聞きました。

どうやら夕方ぐらいから身体全体が重くなってきて、突然の腹痛に襲われたらしいです。
普通に家事をしたり、ジムにまで行って、いつも通り過ごしていたのに突然の激痛で、本人もビックリしているようだったとの事でした。

がんの治療中に盲腸になる人も珍しい、と主治医に言われながらも、その場で的確に判断してすぐに手術する事になったそうです。

「お母さんすっかり弱っちゃったよ」と疲れた顔で言う父を見て、不安がよぎりましたが「でも大丈夫だって先生が言ってたから、大丈夫だと思う」とも言ってくれました。

翌朝は会社に遅刻届を出して、母の様子を見てから出社する事にしました。

がんの患者会
母と家族のガンとの闘病記

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