もし、あなたが親で、自分が「がん」であると告知されたとき、子どもに伝えるべきか、黙ってい
るべきなのか、きっと悩んでしまうのではないでしょうか。しかし、子どものためにも、「自分は
がんである」ということをきちんと伝えてあげてください。曖昧な伝え方や誤解を生むような伝
え方は避けることが大切です。現代では、少し調べればたくさんの情報がでてきます。そのた
め、さくそうする情報によって、不安がさらなる不安を呼んでしまう可能性もあります。しかし、
幼児期~思春期は、常に大きな発達段階にあり、この時期の経験や感情は、今後の成長に
影響します。ここでは、発達段階に合わせた伝え方、伝える内容についてお話していきます。

■子どもには発達段階を踏まえて、正確な情報を伝える

・乳幼児期
未就学児のことを指します。「がん」と言われても、この時期はピンときません。ですが、2歳ご
ろまでは「親が自分から離れてしまう」ということに大きな不安を抱き、2歳以降は、「見捨てら
れたのでは?」「自分が〇〇したからがんになった?」という不安・怒りを抱きます。結果、食
欲の低下や夜泣き、睡眠量の減少、活動意欲の低下などの症状を引き起こすこともあります
。「がん」について説明するときには、「見捨てていない」「あなたのせいでがんになったわけで
はない」ということも、一緒に伝えるようにしましょう。人形や絵本、紙芝居を使うと理解が進み
ます。

・学童期
「がん」は生命に関わる病気であることを理解できる年齢です。しかし、それに伴うからだの変
化などまではわからない子もいます。その先にあるかもしれない「死」についても同じです。子
どもによって、理解度が違いますので、その子の理解度を確認しながら伝えてあげてください。

・思春期
悩みが増え、親にも反抗したり、距離を置いたりする時期です。しかし、家事などの手伝いも
立派にひとりでできる時期でもあります。がんであることやそれらに関する情報を伝え、家族
として、できることは手伝ってもらえるよう説明することが大切です。

■治療療経過や今後の変化について伝える
がんの種類やステージによって、症状や治療方針は異なります。しかし、疼痛を始め、嘔吐、
脱毛、体重減少といった身体的症状や、そのつらさによるせん妄などの精神的症状まで出現
することがあります。目の当たりにしたときの動揺を軽減するためにも「がんである」ということ
を伝えて終わるのではなく、発達段階を考慮しつつ、子どもにも現状や今後の経過ついて、そ
の都度伝えていくようにしましょう。そして、各年齢に見あったお手伝いやケアへの参加を促
すことも大切です。

■「気持ちを表に出すことをためらわないで」と伝える
自分の気持ちを押し込まないでよいということを伝えましょう。子どもは、周囲の雰囲気や変
化に敏感です。大人の様子から状況を察して、気持ちを押さえ込み、ひとりで抱えてしまうこと
はよくあります。気持ちを表出させることは、親子間でのコミュニケーションをとることになり、
大切な時間のひとつにもなります。質問にもちゃんと答えてあげることが大切です。
曖昧な状況ほど、子どもは混乱したり、より恐ろしい状況を想像したりします。親ががんである
ことを受け入れ、「その子らしく」親子でがんと闘っていくことができるよう伝えることが大切で
す。各段階に合わせて、必要な情報を伝えてあげるようにしましょう。

看護師
竹田
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