子どもって「いつも元気に走り回っている」。
そんなイメージはありませんか。
「まさかうちの子が病気になるなんて」
想像したこともないかもしれません。

世のなかの元気な子どもたちとは少し距離を置いたところではありますが、小児病棟ではさまざまな病
気の子どもたちがおり、そのなかに「がん」の治療を受けてがんばっている子どもたちやご家族もいま
す。

私は小児科病棟でも看護師をしていたことがありますが、大学病院だったためかなり重症度の高いお子
さんたちが多くいらっしゃいました。そして治療が長くなるにつれ、看護師といえどもすくなからず人
間としての感情を持った、子どもたちやお母さん方とよく話し込む仕事のしない看護師だったかもしれ
ません。「でもそれが私のスタイル、それがないと面白くない!」なんて心の底では思っていました。

そんな経験から、子どもであっても一人の意思を持った、立派な人間であることを肌で感じてきました
。自分のからだや心に興味を持ち、理解しようとがんばっているのです。お子さんには病気であること
、入院が必要なこと、お薬が必要なことなど、子どもにも分かる言葉で話してください。きっと大好き
なお母さんやお父さんがそばにいてくれると分かったら、安心して治療に取り組むことができるはずで
す。

そのとき一つ注意しなくてはいけないことがあります。それは、「自分が悪い子だから病気にかかった
」と思ってしまう、子どもらしい考え方をさせないことがあるのです。特に4歳くらいになると言葉が
大分話せるようになり、いろいろなことができると思ってしまいがちですが、よくお子さんの話に耳を
傾けてください。

お父さん、お母さんももしかしたら子どもが病気になってしまったことを責めているかもしれません。
でもそこで、一歩立ち止まってみると、病気になったことは誰のせいでもないことに気づくはずです。
愛するお子さんにも誰のせいでもないと必ず伝えてください。病気になったのはなぜか、それは誰にも
分からないことですが、一緒に乗り越えてくれる心強い味方がいると分かったらきっと前を向けるはず
です。

病気になったことで生活ががらりと変わり戸惑うかもしれません。でも子どもの適応力は大人以上、だ
といつも思わされます。調子のいい時には病院で知り合ったお友達と楽しく遊ぶこともできます。その
場にあってがんばることのできる強さがあるのです。大好きな家族がそばにいれば幸せ、それが子ども
の心であることを忘れないでください。私が小児病棟で夜勤をしていたとき、5歳の男の子が寝る前に
お母さんに本を読んでもらっていました。その幸せそうな顔を今でも覚えています。点滴をしたり、看
護師さんが病室に来たりはしますが、そこには親子の絆があり、成長があるのです。

看護師・保健師
舘野
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