ところで、がんの患者さんが抗がん剤治療を受けて、ほぼ全員に出る脱毛という副作用ですが、これに対するアプローチは人それぞれですよね。

まず定番は帽子を被ることで、これはおそらくもっともポピュラーだと思います。

続いて、いっそスキンヘッドにしてしまえ、という思い切った方。
これは男女問わず、です。男性の方が多いかな、と思われますが、案外女性でも「髪の毛がバラバラ抜け落ちるのが面倒」とか「どんどん抜け落ちていく髪を直視するのが精神的につらい」などという理由で、思い切って全部剃ってしまう方も少なくありません。
ツルツルになった頭で、あえて「私はがんと闘っています」というのを世の中に発信していく方もいらっしゃいます。

そして、ウィッグ。
これは、男性よりも女性の方が多いですかね。
男性でもお仕事によってはウィッグを被って過ごされる方もいらっしゃるかと思います。
女性は、やはり髪が無くなってしまうのが精神的にしんどいという方や、お仕事上の都合などでウィッグを被るという選択肢を選ぶ方も結構沢山いらっしゃるようです。

がん患者のためのウィッグ、医療用ウィッグなど、専用のウィッグが販売されており、また、専門の店舗もあるため、相談しやすくなっています。

母も、抗がん剤治療を始めて早々、妹に連れられてウィッグ選びに行って買ってきました。
医療用のものを選んだため、かなりお高めのものを買ってきたようですが、よく見てみると、確かにファッション用のものとは違い、より自然に見えるように作られているな、という印象でした。
髪がある状態で被るウィッグとは異なるため、髪がある状態で試しに装着してみましたが、いまいちすわりが悪く、イメージを掴むのが難しかったです。
勿論店頭で試着する時は、きちんと自前の髪は押さえてくれるので、イメージはつきますが、自宅で自分たちだけでやろうとしても、なかなか難しいものがありました。

装着方法や、どのタイミングでどのようにつけたら良いかという細かい取扱説明書もついていて、これでいつでもつけられるという安心感は得る事ができました。

が、結局、このウィッグ、日の目を見ることはございませんでした。
ウィッグのせいではないのです。
母が、つけようとしなかっただけなのです。

なぜ買った、と突っ込みたい気持ちを抑えつつ、帽子しかかぶらない母を生温かい目で見ていましたが、わりと初期段階でカミングアウトして周囲の人に「自分は乳がんだ」と言いふらしていたので、帽子を被って人前に出ることに抵抗が無かったのではないでしょうか。

このように、結局ウィッグを被らぬまま過ごしてしまうケースもあるので、自分にあった方法で上手にアプローチしていけるのがベストなのだと思います。

がんの患者会
母と家族のガンとの闘病記

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