今回は食道がんがうたがわれるときに行う検査について、説明していきたいと思い
ます。

1.食道について
食道とは喉(咽頭)と胃をつなぐ30cmほどの臓器で、口から胃へ飲食物を送る役割
の臓器です。口から入った食物は重力と筋肉でできた食道の壁が動くことで胃に送
られます。また、食道を輪切りにすると表面から順に、粘膜、粘膜下層、固有筋層
、外膜の4層構造になります。

2.食道がんとは
食道の粘膜から発生するがんで、粘膜層から発生する扁平上皮がんが約90%を占めま
す。また、その発生部位も食道中央付近(胸と喉の間くらいの位置)が約半数を占
めます。原因としては、喫煙と飲酒が明らかなリスク因子となり、その他に熱い飲
食物もリスク因子になるとの研究結果も出ています。症状としては、無症状で見つ
かることが20%と多く、この状態で発見されるがんは根治可能で予後も良好な場合
が多いです。

3.食道がんの検査について
食道がんの検査としえは、主にバリウムが通過するときに撮影する食道造影検査(X
線検査)、内視鏡検査(精査の場合は観察後、食道粘膜に異常が認められると色素
内視鏡検査といい、異常がある部位に特殊な液をかけると正常な細胞であれば色が
つきますが、がん細胞などの異常細胞では色がつかないことを確認)、病理検査
、CT検査、MRI検査などを行います。

また、食道が狭い場合は内視鏡的超音波検査(EUS)、食道造影なども行われます。
CT検査、MRI検査はがんがどこまでの部位に到達しているかを判断する目的で行われ
ます。

4.食道がんに有用な腫瘍マーカーについて
血液検査では食道がんの早期診断の手掛かりにはなりにくいですが、がんの種類が
扁平上皮がんと腺がんになりますので、扁平上皮がんの場合はSCC抗原とCEA、腺が
んの場合はCEAの上昇が認められます。しかし、他のがんと同様に、食道がんに特異
的ではなく、早期では異常値を示さないこともあります。

5.まとめ
食道がんも他のがんと同様で症状としては乏しい状況にあり、無症状のまま発見さ
れることがほとんどです。また、食道がんでは他の臓器のがんが次いで見つかるこ
とも多く、その原因については様々な回答がありますが、定期的な検査をすること
で早期発見につながるため、定期的な医療機関への受診が望まれます。

臨床検査技師
朝野

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