もうがん細胞は完全に写真に写らなくなり、抗がん剤で全て死滅させられたかもしれないという事でしたが、それでも摘出手術をする事を選んだ母。
先生から手術の説明と、いくつかの選択肢の提案がされました。

まず、今回の手術は、右乳房と右腕のリンパを摘出するというものでした。
がん発見当初、がん細胞が認められた場所です。

リンパに関しては、見ためはほとんど変わらないけれど、腕が上がらなくなるからリハビリをするように、というお達しがありました。

乳房に関しては3つの選択肢が提示されました。

1つめは、右の乳房を全摘出して、そのままにするというもの。
要するに右の乳房が無くなるという手法でした。

2つめは、右の乳房を半分摘出して、成形するというもの。
これは、しかしとんでもなく不恰好な仕上がりになるためおすすめできないと断言されました。

3つめは、半分摘出、もしくは全摘出してから、人工的に乳房を再現するというもの。
ダミーの乳房を作るという事で、見ためには普通の状態とほぼ変わらなくなるのだそうです。ただ、自前の細胞や組織との相性が合わないと拒絶反応が起きるリスクがあったり、何か事故や事件に巻き込まれた時に、その部分の細胞から壊死していくとの事でした。そして何よりも値段がかなりかかるという事でした。
若い女性には勧めているし、若い女性はこの手法を選ぶ人も少なくないようですが、母は「今更ねぇ」と苦笑してから「もうあんたたち(私と妹)に大分吸われて小さくなっちゃったから、取っても残しても大して変わらないでしょう」と言い放ち、即決で1つめの全摘を選びました。

相変わらず潔い母です。

かくして、右乳房と右腕のリンパを全部摘出するという事で、手術内容が固まりました。
数日前から入院して、術後は1週間から10日ほど入院という説明を受けました。トータルで2週間前後になるとの事で、その期間のスケジュール調整をしました。

大きな手術は、私がまだ小さかったころ、父が経験しています。
「お父さんは手術をする」と聞かせられて、布団の中で「成功しますように」と懸命に祈っていたのをよく覚えています。
当時は、手術なんて、なんだかとても大事のような気がして、どのような手術なのか、成功率はどのくらいなのか、リスクはどれほどあるのかなど、全く知りませんでした。

今回の母の手術は、勿論失敗すれば命に関りますが、内容そのものはシンプルで、母の体力も十分にあったので、あまり心配するべきところはなく、家族全員、落ち着いてその日を迎えることができました。

がんの患者会
母と家族のガンとの闘病記

この執筆者の記事一覧

医療者コラム

PAGE TOP