夏目雅子さんは「西遊記」や「鬼龍院花子の生涯」などに出演された大人気女優で、27歳という若
さでこの世を去りました。本田美奈子さんは歌手として「1986年のマリリン」などのヒット曲を出し、
ミュージカル女優として「ミス・サイゴン」や「レ・ミゼラブル」にも出演していましたが、38歳で永眠さ
れました。

お二人とも、貧血による動悸息切れ・倦怠感、発熱、あざや歯茎からの出血、頭痛などの症状が
確認されており、血液のがんといわれる「急性骨髄性白血病」と診断されました。検査は白血病細
胞を確認するだけでなく、病型分類の決定や発症に伴うさまざまな異常や合併症の有無を確認す
る目的もあります。今回は急性骨髄性白血病の検査について学んでいきましょう。

1. 血液検査
血液中で増加している細胞を顕微鏡で詳しく調べます。急性骨髄性白血病の特徴として、白血球
の数は増加から減少までさまざまですが、白血球の一種である好中球は減少しています。幼若な
若い白血病細胞と残存する成熟な細胞のみが見られ、中間の成熟な細胞が見られない白血病裂
孔という現象があらわれます。

2. 骨髄検査
骨髄穿刺や骨髄生検は、診断と病型分類のために重要な検査です。骨の内部から採取した骨髄
液や骨髄組織から染色体や遺伝子、血液細胞の表面に発現している抗原(細胞表面マーカー)な
どを解析します。これらの解析は、治療効果を判定する上でも重要なため、治療中もたびたび検
査が実施されます。
骨髄穿刺は皮膚を消毒し、局所麻酔で部分的に麻酔した後に腸骨(腰の骨)または胸骨(胸の中
央にある骨)に細い針を刺して、骨の中にある骨髄液を注射器で吸引して採取します。この骨髄
液を色素で染めて骨髄液中に含まれる細胞の形を顕微鏡で調べます。骨髄液を吸引する際に痛
みがあり、これは局所麻酔では抑えられませんが、通常は一時的な痛みにとどまります。骨髄生
検では、腸骨にやや太い針を刺し、骨髄組織を採取します。

3. 画像検査
臓器の異常や合併症の有無の確認のための検査として、腹部超音波検査や腹部CT検査を行な
うこともあります。痛みを伴わないので経過観察でも検査を実施することが多いです。


4. 染色体検査・遺伝子検査

染色体の構造や数の異常を調べることで、診断や病型の分類、治療方針や治療効果の判定、予
後の判定などが可能で精密で重要な検査です。急性骨髄性白血病の場合は病型に関連する特
異的な染色体異常があり、その異常に伴う遺伝子異常もみられます。
現在は優れた治療薬も開発されてきています。お二人の様な才能溢れた若い財産を今後また失
うのは惜しいですよね。さらなる医学の進歩を願っております。

臨床検査技師/緊急検査士
石﨑 沙織
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