■睡眠の質-意識と無意識の間―
ゆっくり眠れていますか。あるいは睡眠時間は短くても熟眠感(よく眠れたという感覚)はあり
ますか?人間の意識とは私たちを形作る一部にすぎないものであり、良質な睡眠が意識の
活性化につながります。ぐっすり眠った後に目覚めると、意識清明で気分良く、幸せな心持ち
でいることができます。しかし、何らかの心配事などで良質な睡眠が得られないと睡眠中も悪
夢を見たり、起きてからも気持ち悪く頭痛や吐き気、イライラ感などがつのります。

■睡眠と免疫力
睡眠不足の症状は通常は2,3日でおさまりますが、週単位、月単位になった場合は病院受診
をお勧めします。今回は精神疾患ではなく、がん睡眠の関係ですのでこちらについて述べて
いきます。睡眠の質が落ちるとき、それ自体が心と体へのストレスです。ある程度のストレス
は、人間の精神的成長に不可欠なものですが「何事も及ばざるは如し」であり、過剰なストレ
スは免疫力が低下する原因にもなるのです。

■がんと免疫力
がんとは皆さんご存知の通り、異常な細胞が増殖することで発症する病気であり、簡単にいう
と細胞分裂の際のミスコピーなのです。健康な人でも毎日ミスコピー細胞が生まれています
が、免疫機能が働き、ミスコピーされた細胞は駆逐され、新しい健康な細胞に生まれ変わって
います。

睡眠不足などのストレスフルな状態で免疫力が落ちると、そのミスコピー細胞を淘汰する機能
が手薄になり生き残ってしまうがん細胞が生じてしまうのです。特に高齢になるほど免疫力が
下がり、がんにかかりやすくなるので意識して免疫力を高める必要があります。ただ、これは
高齢になってから免疫力を高めよう!良い睡眠を取ろう!と意識してもなかなかできるもので
はありません。今から意識して元気に長生きできるように整えていきましょう。

■質の良い睡眠とは
免疫力を高める質のよい睡眠とは、ただ「長く寝る」という意味ではありません。人間は深い
眠りである「ノンレム睡眠」と浅い眠りである「レム睡眠」を交互に取っており、約90分を1サイ
クルとして一晩に4~5回繰り返しています。この交互のリズムを崩さぬようにすることがポイ
ントです。そのためには、なるべく食事は睡眠時間の2~3時間前には済ませ、胃腸を休ませ
るよう心掛ける、そしてスマートフォンやテレビも寝る1時間前には止め脳を休ませる、という
準備が必要です。

■自分の体調を知る ~心と体に問いかける~
質のよい睡眠を取り、がん細胞を遠ざけるためにはそれなりの知識と準備が必要であること
を理解いただけたのではないでしょうか。

私たちの毎日の生活は、機械や電化製品に囲まれた不自然な環境の中にあります。この便
利な世の中に慣れ、睡眠時間が削られ、気づかぬうちに私たちの体は蝕まれているのです。
だからこそ、ときどき立ち止まって自分の心や体に問いかける時間が必要です。

睡眠一つを取ってみても〇時間寝るべき、ということではなく、一人ひとりにあった睡眠方法
があります。今の自分が一番心地よい、という睡眠を探してみることでがん細胞が遠ざかって
いくのです。

看護師・保健師
舘野
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