前回からの続き

さて、次は認知行動療法についてお話ししましょう。認知行動療法とはベックによ
る認知療法を中心に据え、エリスによる論理療法、アイゼンクやスキナーに始まる
行動療法などを統合的に組み合わせて用いることでより大きい治療効果を狙うもの
です。

現在ではがんに対する心理療法としては、クライエント中心療法と並んで積極的に
用いられる心理療法の一つとされています。認知行動療法の中心の柱となる認知療
法は、主としてうつ病の治療法として開発、普及されたものであり、特にうつ病の
治療に関しては薬物に匹敵するほどの治療効果が示されています。

この認知療法は治療であるとともに、「より良く生きるため」の心理学的教養とし
ても大変優れたものですから、ここで大いに時間を割いて解説してみようと思いま
す。きっとあなたのがん療養の参考にもなるはずです。

まず、認知療法の「認知」という言葉の意味から触れていこうと思います。辞典な
どを調べると、もとの日本語の意味としては単に「認めること」とあったりします
。これでは意味が深まっていきませんので、心理学用語としての「認知」を調べる
と、おおむね「(外界を)認識すること」とあります。

ここでの「認知」という言葉は「認識」と読み替えてよさそうです。つまり、認知
療法とは「認識」に関する療法だということまでは想像がつくでしょう。

つづく

医師 総合診療医/心療内科医/漢方医/産業医
飯島 慶郎(いいじま よしろう)

臨床心理士/産業カウンセラー/認定産業医
総合内科専門医/家庭医療専門医/東洋医学会認定医

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