2013年、アンジェリーナ・ジョリーさんが遺伝子検査の結果に基づき、ご自身の将来の乳がんリスクを回避するための乳房切除を行ったと発表したときの衝撃は、いまだに忘れられないニュースです。
当時はアメリカにおいても賛否両論の議論が展開されたということで、医学が進んでいるアメリカでもいろいろな考えがあるのだと、日本にいながら思ったものです。

こうなると、将来日本でも乳がん対策の一つとして乳房の予防切除が浸透する可能性があるのか気になるところです。そこで、今回はアンジェリーナさんが私たち女性に与えた影響と、乳房の予防切除のメリット・デメリットについて考えていきたいと思います。

■遺伝性乳がんへの注目
アンジェリーナさんの発表が、それまで遺伝性乳がんの存在を知らなかった人にとって大きなインパクトになったのはまちがいありません。このニュースをきっかけに、自分の家族の病歴に関心をもつ人も増えたのではないでしょうか。実際、アメリカではこの発表後に遺伝子検査を受けた人が60%以上増えたそうで、これら一連の影響を「アンジェリーナ・ジョリー効果」と呼ぶそうです。

でも、なぜアンジェリーナさんはここまで踏み切ったのでしょうか?
それは彼女が著名な女優である前に、養子を含めた6人の子どもの母であるところが大きいのではないかと、同じく子どもを持つ筆者なりに推測します。

アンジェリーナさんは、自分の母親の10年にも及ぶがんの闘病をつぶさに見てきた経験をもっているため、大切な子どもたちには自分と同じ思いをさせたくないと考えたのではないでしょうか。
とはいえ、将来の病気を防ぐために、私たち人間はどこまでからだにメスを入れることができるのか?これは非常に興味深く、そして難しい問いかけです。

■遺伝子検査や予防切除、アリ?ナシ?
このニュースが流れた際、筆者の身の回り(ママ友や会社の女性たち)ともこの話題になりましたが、多くの場合「健康が大事なのはわかるけど、(予防切除までは)理解できない」「遺伝子検査をやってみたい反面、本当のことを知るのは実際こわい」「まだ病気になってないからだを切ることに抵抗がある」といった意見が大半でした。
一方、筆者はそんな彼女たちの意見にうんうん頷きながらも、(でも保険が使えるなら、やる選択もありかも。遺伝子検査も受けられるものならやってみたい……)と内心では思っていました。遺伝子検査や予防切除が「アリ」なのか「ナシ」なのかは、それぞれの個人の考えや自らを取り巻く環境等々多くの要因がからむため、正解・不正解ではかることは難しいのです。

■未病状態での乳房の予防切除のメリット・デメリットは?
当のアンジェリーナさん本人もいろいろ悩み、考えた末での決断だったかもしれません。実際、何も悪い病巣がない段階で切除をするということには、多かれ少なかれからだにも負担がかかることが予想されます。それでも予防切除を選ぶとき、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?

<メリット>
・将来の乳がんを予防できる。
・「乳がんになるかも」という不安やストレスから解放される。

<デメリット>
・手術可能な病院は限られ、また保険適用外となるので費用も高額になる。
・アメリカでは乳房を切除後の再建まで保険制度でカバーすることが法的に定められている一方、日本ではそこまでは法整備されていない。(=再建も自費)

こうしてみると、乳房の予防切除はたしかに乳がん予防の期待ができる一方、現実的な課題としては、「費用」「受けられる病院」といったことが浮き彫りになってきます。
またこの前段階である遺伝子検査も、現状では非常に高額なので、誰もがすぐに受けられるわけではありません。でも、手軽に信頼性のある検査を受けられる時代になったら、「受けたい!」と思う人は多いかもしれませんね。

まだ一般の私たちにとっては、予測医療は精神的・金銭的ハードルが高いのは事実です。でも、今後さらに医学技術の進歩がすすみ、私たち一人一人の考え方が変化したとき、アンジェリーナさんの選択もニュースに取り上げられるような珍しいものではなくなり、ごくごく普通に捉えられる時代が訪れるかもしれません。それも、そう遠くない未来に。

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