がん検診とは、自覚症状のない臓器のがんを早期発見するためのもので、がんの早期発見の場合は、40歳代以降は1年に1回がん検診受診を推奨しています。さらに女性特有のがんは、それよりも早い段階で検診することをおすすめします。例えば子宮頸がんは20歳以上が対象になります。

EBM(Evidence-Based Medicine:科学的根拠に基づく医療)という医学の世界での研究により証明された最も優れている手法をおこなうことで、次に挙げるがん検診の検査項目もがんの死亡率が減少すると科学的に証明されています。

1.胃がん
従来の胃がん検診では、一部を除いては胃のエックス線検査(バリウム検査)といって発砲剤で胃を空気で膨らませてバリウムという造影剤を飲み胃の内容をさまざまな角度から調べるといった検査のみおこなわれてきましたが、2016年4月からは内視鏡検査(胃カメラ)が追加になりました。内視鏡は細く長い管を口や鼻から挿入し、胃の中を直接観察します。
がんでなくても胃潰瘍やポリープが発見される場合もあります。どちらも検査前夜の夕食以降は絶食となります。近年では、血液検査でピロリ菌とペプシノゲンを調べ胃がんの危険度を分類してから内視鏡を勧める「胃がんリスク検診」を導入する市町村も増えてきています。

2.肺がん
肺がんは主に肺の奥にできる「抹消型」と肺の入り口付近にできる「中心型」に分けられます。抹消型の発見には異常が白い影が写る胸部エックス線検査(レントゲン検査)が適しています。一方、中心型の発見には喀痰の中にがん細胞の有無を調べる病理の細胞診検査が適しています。すべての受診者が胸部エックス線検査を受け、肺がんのリスクが高い方には喀痰細胞診検査も実施されます。

3.大腸がん
大腸がんは粘膜の表面にでき、そこから出血して血液が便に混じっていないかを検査する便潜血反応検査をおこないます。痔や良性ポリープなどでも陽性になりやすいです。2日間採便していただき、陽性が出たら肛門から管を入れる内視鏡検査をおこない直接腸内を観察します。

4.乳がん
自治体での乳がん検診は40歳以上の方を対象に2年に1回の受診を推奨しています。主に医師による視診、しこりや分泌物、リンパ節の腫れを調べる触診をおこないます。次にマンモグラフィーというエックス線検査をおこない、乳房を2枚の圧迫板で挟み撮影します。乳腺組織の発達した若い女性などはマンモグラフィーに適していないので乳腺超音波検査がおこなわれます。

5.子宮頚がん
子宮がんには「子宮体がん」と「子宮頸がん」があります。日本人はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因の子宮頸がんが若い女性に増えています。医師が子宮頚部を綿棒でこすり細胞を採取しがん細胞の有無を調べる頸部細胞診が主な検査です。

臨床検査技師/緊急検査士
石﨑 沙織
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