トレーニングをしていたり健康に気を使っている方の中には、ビタミンのサプリメントを
使っていたり、ビタミン豊富な食材を日々の食事に取り入れている方もいらっしゃるでし
ょう。今回はそのような、ある程度栄養や健康に関して知識のある方向けに、ビタミンに
ついてより専門的な知識を紹介します。

脂溶性ビタミンと水溶性ビタミン

まず、ビタミンとは、タンパク質・脂質・炭水化物以外の、生命維持に必要な有機化合物
の総称と定義され、全13種類あります。第一に脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンという二
つの分類について知ることが重要です。脂溶性ビタミンにはビタミンA,D,E,K、水溶性に
は葉酸、ビタミンB1, 2, 6, 12、ビタミンC、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸があげ
られます。このうち不足しがちなのは水溶性ビタミンです。なぜなら水に溶けるというこ
とは、尿と一緒に排出されることがあるためです。

以下では各ビタミンの作用について紹介します。

水溶性:
葉酸
メチル基(-CH3)やホルミル基(-CHO)など、一つの炭素を含む基をある化合物から他の化合
物に移す働きをします。アミノ酸の一つであるメチオニンやプリン塩基、チミジン1リン
酸の合成に必須で、不足すると細胞増殖が正常に起こらず貧血を起こしたり、妊婦の場合
は胎児に悪影響が出ます。

ビタミンB1
ピルビン酸をアセチルCoAに変換したり、α-ケトグルタル酸をスクシニルCoAに変えるな
どのエネルギー生産に必須の反応の補酵素(酵素と協働し、物質の受け渡しを担って反応を
進める物質)として働きます。不足による症状は脚気(かっけ)で、かつて日本では原因不明
の病として恐れられていました。

ビタミンB2
電子伝達系という、ミトコンドリアにあるエネルギー生産システムにおける電子の伝達に
働きます。欠乏症はまれと言われています。

ビタミンB6
多くのアミノ酸代謝反応の補酵素として働きます。欠乏症はまれと言われています。

ビタミンB12
ホモシスチンをメチオニンにする反応、またメチルマロニルCoAをスクシニルCoAにする
反応の補酵素として働きます。欠乏すると貧血や神経障害をもたらします。

ビタミンC
抗酸化作用、また水酸化反応の補酵素として働きます。不足すると壊血病(出血しやすくな
り、傷の治りが遅くなる病気)を引き起こします。

ビオチン
カルボキシ基(-COOH)の移送反応に働きます。腸内細菌が作り出すため、欠乏症はまれと
言われています。

ナイアシン
ビタミンB2と同じく電子伝達系での電子の伝達に働きます。不足するとペラグラという疾
患となります。

パントテン酸
アシル基(R-CO-)の運搬体として働きます。欠乏症はまれと言われています。

脂溶性:
ビタミンA
上皮組織、生殖能力、視覚の維持に必須で、不足するとこれらの機能障害が起きるほか、
過剰摂取によっても肝機能障害や頭痛などをもたらします。

ビタミンD
カルシウムの吸収・体内濃度の調節に働きます。不足すると骨折しやすくなるほか、過剰
摂取するとカルシウムが過剰になることによる障害(尿路結石や高血圧など)が起こります。

ビタミンE
抗酸化物質として知られ、不足することはまれで、過剰摂取しても毒性を示さないと考え
られています。

ビタミンK
出血した際に血が固まる反応に働きます。そのため不足すると出血しやすくなりますが、
成人では欠乏症はまれであり、かつ過剰摂取による毒性も小さいと考えられています。

少し難しく感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、興味を持たれたのならばそう
した背景知識を調べてみると、人体の機能への理解が深まり、今後のトレーニングや健康
維持に活かされるかもしれません。

医療者編集部
スポーツ医学と運動科学ラボ

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