アピアランスケアとは、抗ガン治療などによって、外見に変化が生じてしまった時に、外見の変化
に起因するがん患者の苦痛を軽減するケアのことを言います。治療が長期にわたる場合や患者
がまだ若かったり、女性であったりした場合、健康であったときとの自分の外見の変化に、精神的
苦痛を感じる場合があります。高齢だったり、男性であったりしても同様です。

外見の変化には、脱毛や爪の菲薄化(ひはくか)、ステロイド治療による肥満など、さまざまな内
容がありますが、一部の抗がん剤の中には、肌の変化を顕著に起こしてしまうものもあります。フ
ルオウラシル(5FU)、ドセタキセル、キロサイド、カペシタビンなどの抗がん剤には皮膚障害を起こ
す可能性があります。皮膚の色が黒ずんできたり、シミを発生させる色素沈着、爪の成長が障害
されることで起こる爪の変形、顔がほてってあから顔になる、全身に赤い斑点が現れる、手や足
の裏や指先などがチクチクしたり知覚過敏になるなどの症状があります。

赤ら顔や色素沈着などは、コンシーラーなどのメイクでなんとかごまかそうとする人もいますが、や
はりストレスに感じてしまうものです。気になってシミの部分などをよく触ったりこすったりすること
で、ニキビの発生原因になったり、機械的刺激によってより一層色素沈着がひどくなったり、肝斑
を併発したりなどのトラブルがさらに発生してしまうこともあります。

まずは美肌治療の大原則としては、「気になっても必要以上に触らない」ことです。スキンケアや
洗顔もゴシゴシこすらないように気をつけます。爪の変形を伴う場合は、刺激の少ない石けんを使
って常に皮膚を清潔に保ちましょう。爪でひっかいたところからニキビができることもあります。

今まで使っていたスキンケアが肌に合わなくなるのもよくあることなので、低刺激で弱酸性のスキン
ケアに早めに変えておきましょう。肌トラブルが出てからスキンケアを変えると、肌が慣れなくて余
計乾燥してしまったりなどのトラブルを起こすこともあります。あとは、日焼けを避けて、春夏以外
でも日焼け止めを塗るようにしてください。紫外線は、肌トラブルを悪化させる原因になります。

医師 美容皮膚科
山下 真理子

1985年岡山県生まれ。京都府立医科大学を卒業後、医師に。美容医療だけではなく、栄養学などでは全国的に講演活動などを行うほか、専門学校での医療教育にも努める。
現在は大阪市内の美容クリニックに在籍中。産業医、ウルセラ認定医、サーマクール認定医、日本抗加齢医学会所属医師。日本毛髪美容学会理事として勤めたほか、認定レイキヒーラーとして美容ヒーリングにもかかわる。

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