突然ですが、「口周りの産毛が濃くなっている気がする…これってヒゲ⁉」という状態の女性に
質問です。毎月生理は来ていますか。生理の周期は安定していますか。もし、思い当たる節
があればそれは、多嚢胞性卵巣症候群という病気が原因かもしれません。ここでは、女性の
ヒゲの原因にもなる多嚢胞性卵巣症候群についてお話ししたいと思います。

■多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは?
卵胞(卵子の元)が発育するのに時間がかかり、なかなか排卵しない疾患で、若い女性の排
卵障害の大きな原因の1つとなっています。多嚢胞性卵巣症候群の診断基準は下記の3つが
あり、診断には全ての条件を満たす必要があります。

(1)月経異常
無月経、希発月経、無排卵周期症(排卵が起こらずに生理様の出血がある状態)のいずれか
の状態

(2)多嚢胞卵巣
超音波検査で、両側の卵巣に未熟な卵胞が多数見られる状態
(3)血中の男性ホルモン値が高い、または性線刺激ホルモンの値が異常
(LH基礎値が高く、FSH基礎値が正常)

■女性のヒゲとの関係は?
多嚢胞性卵巣症候群の自覚症状としては、生理周期が35日以上(通常28日前後)、規則的
だった生理が現在は不規則、にきびが多い、やや毛深い、肥満などが挙げられます。このう
ち「やや毛深い」という症状の中にヒゲが含まます。これは多嚢胞性卵巣症候群によって、男
性ホルモンが高くなっているために起こる症状です。男性ホルモンが高くなると、ヒゲの他にも
体毛が濃くなったり、声が低くなる、喉仏が出る、筋肉質になるなどの症状が見られる場合が
あります。

■症状が当てはまる場合にはどうすればいい?
男性化も困った症状ですが、多嚢胞性卵巣症候群を治療せずにいた場合、不妊の原因にな
るほか、子宮体がんのリスクが上昇することがわかっています。上記の自覚症状がある場合
には、早めに婦人科を受診するようにしましょう。多嚢胞性卵巣症候群の確定診断には、超
音波検査や内診、超音波検査が必要になります。

■まとめ
女性のヒゲの原因には、不妊やがんにつながる婦人科疾患が隠れている場合があります。
早めの受診とともに、基礎体温の計測・記録をしておくことをおすすめします。多嚢胞性卵巣
症候群の診断に有用なだけでなく、ほかの婦人科疾患の診断や体調管理、妊活などに必要
になります。基礎体温を毎日測定・記録し、診察の際には基礎体温表を持っていくのを忘れ
ないようにしましょう。

看護師
広田 沙織
PAGE TOP