がんを完全に治すためには早く見つけることが大切です。そのための方法の1つが健康診断やがん検診です。

会社員であれば、毎年最低限の健康診断や検診が義務付けられていると思います。ただし、受けっぱなしで異常を指摘されても病院に受診しない人もいるでしょう。一方、自営業の人はそもそも健康診断を長年受けていないという場合も少なくありません。

確かに日々労働や家事に追われるなかで、時間を作って健康診断やがん検診を受けることに意味があるのかという思いがあることも納得できます。たいていの場合は、病院に受診しなくても今すぐ命を落とすわけではありませんし、あなた自身に何も症状がないことが多いからです。

しかし、ではなぜ国や会社をあげて健康診断やがん検診を奨励しているのでしょうか?

健康診断で異常が見つかったといっても何通りかのパターンがあります。正常な人(日本人の平均)と比べると異常ではあるが、あなたには全く害がない場合は、今すぐ何か悪いことが起きるわけではないが、このまま放っておくと病気につながるかもしれません。そして、近い将来に命の危険に結びつく異常がある場合は、がん検診であれば、陽性と出ても、がんの確率が低い場合から、かなりがんの確率が高い場合まで幅があります。

再検査と言われた場合に、あなた自身はきっとこの判断をすることは難しいでしょう。その判断をするためにも病院への受診が必要なのです。その異常があると、なぜあなたの健康が脅かされて、どうすれば改善することができるのかを説明するのが医師の役目です。そして、目の前の健康だけでなく、10年後・30年後の健康も見据えて健康診断を受けてほしいと思います。

ところが検診を受けていても、絶対がんを見つけられるわけではないという現実もあります。がんと告知された人から、「検診を受けているから大丈夫だと思っていた」という言葉が聞かれることも少なくありません。肺がんや胃がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんなどでは、検診の効果が研究で実証されて、方法が確立していますが、その他検診で拾いきれないがんがあることも確かなのです。

それでも、健康診断や検診を受けることで、健康被害の種を早く見つけることができ、治療につなげることで寿命がのびることが研究で証明されているから、健康診断・検診は推奨されたり義務付けられたりしているということを知ってください。

内科医
村本

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