抗ガン治療などによって外見が変化してしまい、それに対してストレスに感じている患者に対
してのケアを、アピアランスケアといいます。男女関係なく、アピアランスケアが必要である場
合と、特に気にならないという人もいます。

抗がん剤にはさまざまな種類があり、中には、肌トラブルを起こしやすいものもあります。フル
オウラシル(5FU)、ドセタキセル、キロサイド、カペシタビンなどの抗がん剤には、さまざまな
肌トラブルなどを起こす可能性があります。皮膚の黒ずみや色素沈着、爪の変形や黒ずみ、
爪の菲薄化(ひはくか)、ニキビの大量発生などがあり、個人差もかなりあります。今まで使っ
ていた化粧品が合わなくなったり、敏感肌用のスキンケアを使ってもヒリヒリしたり乾燥したり
して困るという人もいます。

なかなかホームケアでの肌質改善が難しいという時、アピアランスケアとしてイオン導入治療
が有効な場合があります。イオン導入とは、微弱電流を使って、そのままでは浸透しにくいさ
まざまな美容成分を、肌のバリア機能を一時的に弱めることで肌の奥に届きやすくするという
美容法です。「肌のバリア機能を弱める」というのは、肌の表皮のうち、電気的に反発しあって
いる角質層と顆粒層の電荷的な反発を弱めることで、角質層よりも億の顆粒層以下、肌の深
層に成分を届けることができるというものです。

ホームケアやエステサロンでもイオン導入は行われていますが、医療機関で行っているイオ
ン導入は、使っている美容成分も、医療機関でなければ使用することができないさまざまな有
効成分が入っていますし、保存料などの入っていないビタミン類を肌に導入することができま
す。肌に合うかわからない高額なスキンケアに手を出すよりは、週に一度程度、イオン導入に
よるお手入れを取り入れたアピアランスケアを行うことは大変おすすめです。医療機関で行う
イオン導入の場合、抗ガン剤を始めてからの肌トラブルを医師に相談しやすいですし、現在
の悩みに合わせた美肌治療を受けることができるでしょう。

医師 美容皮膚科
山下 真理子

1985年岡山県生まれ。京都府立医科大学を卒業後、医師に。美容医療だけではなく、栄養学などでは全国的に講演活動などを行うほか、専門学校での医療教育にも努める。
現在は大阪市内の美容クリニックに在籍中。産業医、ウルセラ認定医、サーマクール認定医、日本抗加齢医学会所属医師。日本毛髪美容学会理事として勤めたほか、認定レイキヒーラーとして美容ヒーリングにもかかわる。

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