乳がんは、子宮がんとともに検診で早期発見が可能な代表的ながんです。しかも早期に発
見すればとても治りやすいがんなのです。直径が2cm以下の早期の乳がんであれば
95%は治るといわれています。ところが多くの日本人は乳がん検診を受けていないために
、手遅れで見つかることが多いのです。

日本人の乳がん検診に関する統計はほとんどが40歳以上のものです。ところが、最近は
若い女性の乳がんも増えています。私のところで見つかった一番若い乳がんの患者さんは
18歳でした。他にも19歳で乳がんが見つかった人も2名いらっしゃいます。

そのうち1人は亡くなりました。1人は乳房を切除しました。若くして乳房を切除すると、
その後のQOL(Quality of Life:生活の質)は大きく低下します。お友達と温泉に行くの
もはばかられるようになるかもしれません。彼氏を作るのにも消極的になってしまうかもしれません。

乳がんは早く見つかれば命を落とさずにすむだけでなく、乳房を失うこともありません。
実は私の母も乳がんですが、早期に見つかったため、局所麻酔の日帰り手術ですみました。
たった30分程度の手術時間で、その後1〜2時間もすれば帰宅できるのです。定期的に検
診を受けていれば、たとえ乳がんが見つかっても、そのくらいの手術で済むことが多いので
す。

欧米では20代の人も積極的に乳がん検診を受けています。日本でも、どうか若い人も、迷
わず積極的に乳がん検診を受けていただきたいと強く思います。

がんが見つかるのが怖いからがん検診を受けない、という人が多くいらっしゃいます。乳が
んに関しては、定期的に検診を受けることで早期発見が可能で、早期発見できれば必ずと
言っていいほど助かるがんなのです。

「自分の体は自分で守る」、その気持を大切にしていただきたいと思います。そしてそのた
めに、ぜひこの機会に正しい知識をしっかり身につけていただければと思います。

医師・産婦人科医 MPH
野嶋 優(のじま ゆう)

専門分野は不妊症・ピル・避妊・性感染症・子宮内膜症・LGBT・女性のメンタルヘルス・若年女性のがん(乳がん・子宮がん等)等。不妊症や各分野の臨床とともに、長年にわたって「若年女性のがん」(とくに遺伝・生活習慣と乳がん、HPV感染と子宮頸がん、若年女性のがん検診)の啓蒙活動に関わってきたので、その経験を生かしていろいろな切り口からご提供していきます。
ピル・性感染症・インフルエンザワクチン等に関する公的研究実績あり。2女の父。

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