2015年9月19日にフリーアナウンサーの黒木奈々さんが
スキルス胃がんのため、32歳の若さで亡くなりました。
今回は、著書「未来のことは未来の私にまかせよう」で、
彼女が語った闘病の日々をお伝えします。

ある日、友人と食事中に胃に激痛が走り、救急車で搬送されます。
その時は「胃潰瘍による穿孔」という診断がくだりました。
10日間ほど入院した後、鹿児島の実家で休養し、
復帰の前に改めて検査した結果は「胃がん」でした。
がんであることを告げたのは父親でした。
すぐに再休養することになり、
翌日、両親と一緒に医師に話を聞きに行きます。

そこで、あらためて医師からの説明で
「ご本人にはつらい話ですが、がんです。
また、早期のがんで、胃の4分の3を切除すれば97パーセント完治する」
と言われました。
その後、セカンドオピニオンを求めて訪れた病院で
信頼できる医師と出会い、手術を決意します。
しかし、前向きに病気と闘う気持ちが湧き始めた時、
新たな「事実」がわかったのです。

それは、がんが思っていた以上に進行しており、
7月に患った胃潰瘍による腫れで、
以前は胃カメラでも様子がよくわからなかったが、
腫れが引いた後の画像は、
素人でも、がんが胃に巣食うように広がっているのがわかったほど進行していました。

当初、予定していた腹腔鏡下手術を全摘に変更となりましたが
転移はなく無事に終了しました。
黒木さんはがんを完全に克服するため、抗がん剤治療も決意します。
飲み薬と点滴の抗がん剤を併用し、3回に分けて投与することになります。

何よりつらかったのは点滴の強烈な副作用でした。
強い吐き気や下痢、味覚障害に悩まされ、
2回目の点滴投与の後には、水分が取れないのに加え、
下痢も重なって脱水症状になり、
病院の床で意識を失って倒れてしまいました。

そんな過酷な闘病生活を支えたのは
「仕事に復帰したい」という強い思いでした。

その後、想いが叶って、彼女は念願の職場復帰を果たしました。
痩せすぎたお腹まわりを隠すためコルセットを巻いたと書かれています。
がん闘病を背負いながらも大好きな仕事を再開されたことは
素晴らしいことでした。

しかし、手術から1年後に旅立つことになります。

残念ながら、彼女の最期がどんな形だったのかは分かりません。
胃潰瘍→早期がん→進行がん・と短い間に
状況が刻々と変わっていく恐怖。
思い残すことはたくさんあったと思います。
でも、最期まで闘えたのは、御両親はじめ、周りの人たちの支え、
そして、未来への希望があったからだと感じます。

がんは、若いから大丈夫とは言えません。
大切な自分の人生を、後悔で終わらせないために
自分メンテナンス始めましょう!

看護師
かたおか さちこ

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