皆さんこんにちは。前回は医療費に関する税制上の控除についてお話しました。医療にかかわるお金の話については、今後も触れていきたいと思いますが、今回は「障害福祉」という分野からお話したいと思います。障害福祉という分野は、医療のなかではあまり身近に感じられないことが多いかもしれませんが、治療を受けていくなかで起こる身体機能の変化にあわせて、頼れる公的サービスの1つになると考えられます。年齢性別を問わず、「障害」という状況を支える制度ですので、代表的なところから触れていきたいと思います。

私たちは、いつ「患者」となるか分かりません。そして患者として病状と向き合い治療に専念していくなかで、からだの機能が変化していくことがあります。この変化についてもう少し想像しやすいように、「私(佐々木)が健康診断などで大腸や直腸に異常が認められた」と仮定してご説明したいと思います。皆さんにもその後の「私」の様子について一緒に想像してもらえればと思います。

【私(佐々木)が健康診断などで大腸や直腸に異常が認められた場合】
私は、病院で健康診断の際に見つかった異常が何だったのか精密検査を受けます。検査の結果「がん」だったと知らされます。私はまず命が大丈夫なのか、助かるにはどうしたらいいのか医師と相談し、いくつかの治療方法を提案されます。その結果、外科的な手術が最も良いと告げられます。しかし、病巣を外科的に切除すれば、結果として直腸の機能が残せずに、人工肛門(ストーマ)になるしかないと宣告されます。手術によって命は助かる選択ができました。しかし、からだの機能はこの手術によって変化し、2度と手術前のような状態に戻ることは無いことを知らされます。今まであった身体機能の一部が、ずっと戻らない状態になったことで、「障害が残った」と理解しなければいけなくなりました。

このように、医療の現場において、障害がからだに残る状況というのは、実は身近に存在します。そして誰もが起こりえる状況だと知ることが大切だと思います。障害福祉のなかで「障害」をどう捉えるかは、単に心身機能だけに留まらず、社会背景も含めて捉える見方がありますので、一言での説明が難しい部分があります。私からは「身体機能の障害」という部分を中心に今後も触れていきたいと思います。

身体機能の障害が残った際に、障害福祉の分野では「身体障害者手帳」という制度があります。これは部位ごとの傷病名で診断されるものであり、「眼・耳・口・上肢・下肢・体幹・心臓・腎臓・肺・膀胱・直腸・小腸・免疫・肝臓」の分野から、状態の程度にあわせて1級から7級まで等級があり、診断されていきます。しかし、単に身体障害が残ったから障害者手帳の手続きを取ればいいかと言えば、私はそうは思っていません。あくまでもこの手帳の取得は、暮らす上で自分に役立つ物事があると納得できた上で手続きすることが大切だと感じています。

この手帳の取得が、人によっては「障がい者というレッテルである」と感じる人も少なくありません。障害というものに向き合うなかで、この手帳の取得が自分の暮らしの手助けになると思えた時に手続きをしてみてはいかがでしょうか。今後この手帳の取得によってどのような支援が受けられるのか、次回から説明していきたいと思います。

社会福祉士
佐々木

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