先日、女優の樹木希林さんが亡くなられました。
2004年に乳がんと宣告されてから、腸・副腎・脊ずいに転移し、2013年には全身がんと宣告されたそうです。日本アカデミー賞でのスピーチでの「全身がん」という告白はとても驚きましたし、「全身がん」という言葉は衝撃的でした。
希林さんのがんと共に生きることを体現されるお姿は、がんを患っている人だけでなく、多くの人に勇気と希望を与えてくれました。
今回の「乳がん・子宮がんを語る女子会」では、樹木希林さんを襲った乳がんを早期に見つける乳がん検診について語ります。

■乳がん検診の受診率は4割未満
最近では、女優・モデルなど芸能人が乳がんを告白し、乳がん検診の重要性を訴えかけていることもあるためか、乳がん検診の重要性は認知されてきています。
特に、乳がん検診は早期発見が目的ですので、定期的に受診することがよいとされています。しかし、それでも乳がん検診の受診率は4割に満たないという現状があります。

■なぜ日本では乳がん検診の受診率が低い?
これだけ乳がん検診の重要性が広まってきているのに、なぜ受診率は低いのでしょうか?
一番の理由としてあげられるのが「乳がんです」と宣告されるのが怖いというものです。

確かに「がん」と告げられるとショックですよね。何となく「死」をイメージしてしまうので避けたいと思う気持ちになります。
でも、自覚症状があるのに検診にいかず、時間をおいてから病院にいくと誰もが「もっと早く検診を受けていればよかった」と思うようです。
実際、乳がん全体でみれば、8割以上が治ると考えられています。2センチ以下の早期がんなら完治の可能性も高くなるため、ここは勇気を出して検診を受けたいところです。

また、「乳がんの治療費も高額になりそうで心配」という声もあります。
たとえば乳がんの放射線治療の治療費は、基本的に保険が適用となります。
3割負担なら、高額療養費制度を使えば1ヵ月の支払いは標準的な収入であれば4~8万円程度。早期に発見できれば、お金や負担も軽く済む可能性が高いことを知っておくことも大切です。

■乳がん検診の頻度は?
乳がん検診は、マンモグラフィーと超音波検査(エコー)で行われることが一般的です。
40~65歳ぐらいの女性は、マンモグラフィーと超音波検査を1年に1回受けるとよいでしょう。両方セットで受けると異常を見逃す可能性が低くなります。

また上記以外の20歳以上の女性も、最低2年に1回は検診を受けた方がいいようです。
マンモグラフィーはそうしても乳房をつぶして撮影するために痛みを感じる人もいますが、涙が出るほど痛いという人はそれほど多くなく、実際は筆者のように全く痛みを感じない人もいます。生理期はなるべく避け、緊張せずリラックスして臨みましょう。

ただし、授乳中は乳腺組織が発達しているため、画像が白くかすんでしまい、正しい診断がしづらいと言われています。そのため卒乳してからから一定期間を空けて受診しましょう。とはいえ、明らか乳房周辺にしこりなどの異常を感じた場合は、すぐに受診しましょう。

■さいごに
身近にがんを患った人がいないと、どうしても他人事になりがちな「がん」。
しかし、日本でのがんでの死亡者数は年々増えてきているのも事実です。

実は、日本のがん検診受診率は先進国の中でもっとも低い部類に入るとされ、こんなにも健康志向が高い国民性を持ちながら、意外にがん検診には及び腰という不思議な現象が見られます。
がんで命を落とさないために、自分や家族の未来を守るためにも、定期的にがん検診を受けるようにしたいものです。

<参考>
・厚生労働省 がん検診手帳 「乳がん全体版」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan10/pdf/gan_women10_02h.pdf
・乳がん検診受けていますか?山下医院 監修「乳がん検診Q&A」
https://www.yamashita-clinic.jp/qanda/
・こば消化器・乳腺クリニック「FAQ 乳がん検診よくあるご質問」
https://koba-cli.com/breast/entry22.html

有名雑誌や大手メディアでコメントするライターやTV出演もある女性陣を結集した女子会
乳がん・子宮がんを語る女子会

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