肝臓は「沈黙の臓器」と言われ、肝臓に何らかの異変が起こっても症状に気づきにくい臓器です。今回は肝臓がんの種類とリスク要因、予防法をご紹介します。

■肝臓(かんぞう)の役割 
肝臓は腹部にある臓器で臓器の中で一番重たく大きな臓器です。肝臓の内部には細かな血管である毛細血管(もうさいけっかん)が張りめぐらされていて養分を蓄える働きや腸で消化や吸収のサポートをする胆汁を作る働き、代謝や血液循環への関与、アルコールや薬・老廃物などを無毒化する役割をしています。

■肝臓がん(かんぞうがん)とは
肝臓がんは肝臓にできる悪性の腫瘍で、大きく分けて原発性肝臓がんと転移性肝臓がんの2種類に分けられます。それぞれ、どのような特徴があるのでしょうか。

1.原発性肝臓がん(げんぱつせいかんぞうがん) 

原発性肝臓がんは肝細胞がんと肝内胆管がん、肝細胞がんと肝内胆管がんが混ざったがんなどに分類されます。原発性肝臓がんの約90%は肝細胞がんが占めており、一般的に肝臓がんというと肝細胞がんのことをいいます。

2.転移性肝臓がん(てんいせいかんぞうがん) 

転移性肝臓がんは肝臓以外の臓器にできたがん細胞が、リンパ液や血液によって肝臓に運ばれ転移したことで発症するがんです。消化器系や腎がん、肺がん、乳がん、頭頸部のがんなどのがんが転移することが多いとされています。

■肝臓がんのリスク要因
1.肝炎ウイルス 
肝臓がんは肝炎ウイルスのB型・C型肝炎ウイルスにり患し持続感染から慢性肝炎に移行することで肝硬変を経て、肝臓がんへと徐々に進行していきます。肝臓がんの約60%は肝炎ウイルスによって起こります。

2.アルコールと喫煙 
喫煙はがんのリスクを高める要因の一つとなり、過度の飲酒は脂肪肝などの肝臓障害につながります。アルコールによる肝臓障害が進行すると肝硬変を引き起こしますので肝臓がんのリスクが高くなります。

3.肥満や糖尿病 

肥満や糖尿病の人は腸内細菌が変化して胆汁の成分を変化させることで肝臓への負担が大きくなり肝臓がんのリスクが高くなることが分かっています。肥満からくる糖尿病も脂肪肝になりやすいためリスク要因となります。

■肝臓がんを予防するには
禁煙や過度の飲酒、脂っこい食事は控えバランスの良い食事を心がけましょう。また、適度な運動を心がけることも肥満からくる肝臓がんの予防につながります。そして、肝炎ウイルスの感染のチェックや、感染している場合は定期的な肝機能検査を受けて慢性肝炎や肝硬変を予防し肝臓がんに進行しないように早期治療を開始することが大切です。肝炎ウイルスの検査は各地方自治体の保健所や委託機関で検査を受けることができますので一度検査を受けましょう。

■まとめ
今回は肝臓がんについて紹介しました。普段の生活習慣に気を付けるだけでなく肝炎ウイルスに感染しない、感染しても慢性肝炎に移行しないように早期治療を開始することが大切です。

臨床工学技士
宮座 美帆

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