子宮内膜症は子宮内膜に起こる病気と思われている人も少なくないかと思います。実はそうではな
く、子宮内膜やそれに似た組織が、子宮の内側以外に発生している状態をいいます。子宮の内膜
がほかの臓器や場所に発生することで、さまざまな症状が出ます。ここでは、子宮内膜症の症状や
卵巣がんとの関係についてお話ししたいと思います。

■子宮内膜症とは?
20〜30代の若い女性に多い病気で、30〜34歳頃がピークとされています。子宮内膜症ができやす
いところは下記の場所です。

▪️卵巣
▪️ダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)
▪️仙骨子宮靭帯(子宮を支える靭帯の1つ)
▪️卵管
▪️膀胱子宮窩(膀胱と子宮の間のくぼみ)
稀に、肺や腸、へそなどにできることもあります。

■症状は?
子宮内膜は、生理周期によって増殖し、生理時に剥がれて月経血として外に排出されます。ところ
が、子宮内膜症の場合、本来必要のないところで増殖するため、生理に伴って痛みが起きる場合
が多く、その割合は約90%といわれています。また、病巣の周りに炎症や癒着が起き、生理に関係
なく下腹痛や骨盤痛、排便痛、性交痛が起きることもあります。
さらに、炎症や癒着が起きた場所によっては、卵管の働きが悪くなったり、排卵や受精に影響を与
えたりする場合があり、不妊症の原因にもなります。原因不明の不妊症の約半分に子宮内膜症が
関係しているとも言われています。

■卵巣にできたら要注意
さまざまな場所に発症する子宮内膜症ですが、卵巣にできた場合には特に注意が必要です。卵巣
内に子宮内膜症ができると、増殖後の出血が卵巣内に溜まり、出血と水分の吸収を繰り返すうち
に中身がドロドロしたチョコレート状の内容物に変化し、卵巣が腫れます。この状態を卵巣チョコレ
ート嚢胞といいます。卵巣チョコレート嚢胞は、卵巣がんの発生する危険性が高い病気として知ら
れています。悪性の可能性がある場合には、手術での摘出が必要になってきます。

■まとめ
子宮内膜症は、症状として痛みがあります。もし、生理痛がひどい場合や、よくお腹が痛くなること
が続くようであれば、早めに婦人科を受診するようにしましょう。不妊症の原因となるだけでなく、卵
巣チョコレート嚢胞の場合には、がん化の可能性が高いことがわかっています。早期発見・早期治
療が重要になってきますので、自覚症状がない場合にも、1年に1回は婦人科検診を受けることをお
すすめします。

看護師
広田 沙織
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