皆さんこんにちは。前回は「災害時」に特に個別的な対応が必要である「保健・医療・福祉サービ
ス」の利用者が事前にできる一般的な準備についてまとめました。

【がんの治療を受けている人の災害に対する準備】

(1)がん治療に関する内容と注意点を日ごろから主治医と相談しておくと安心
自身の「がん」に関する知識や「がん治療」に関する治療内容と特徴に関しては既にご存じだと思
いますが、緊急時になればなるほど冷静になるのは難しくもあります。普段はすぐに答えられる内
容でも、焦ってしまうと他の人へ適確に伝えられない場合もあります。また、特に化学療法を受け
ている人であれば、化学療法の対応頻度にどの程度変化が出ても許容範囲なのか知っていくこと
は安心感があります。また対応方法に関しても、一時的に代替できるものがあるかどうかも調べ
ておくことは、被災した時の治療の選択肢を広げることにもつながります。そのため、日ごろから
主治医と話しておくことが大切です。これらの内容は「治療を急ぐ必要があるのか、待っても良い
治療なのかを把握していく」ことが重要となるからです。

(2)治療の情報を見える形で持っていけるよう準備する
お薬手帳をはじめとした「今の治療に必要な内容」が見える形になっていることは、災害時の混乱
した時には非常に有効です。また、災害時の限られた医療物資しかない時期においては、「治療
の優先順位」を決めて対応することがほとんどですので、自身の治療内容を適切に伝えることで
優先順位を正当に見積もってもらう必要があります。この際に必要なのは「お薬の情報や残薬」は
もちろんですが、今までの治療経過や検査の情報など書面になっているものをすぐに持ち出せる
ようにしておくのも重要です。もしも書類関係をスマートフォンなどで写真の形でデータを持ち運べ
る場合は、多くの情報を見える形で提示することが可能ですので、1つの手段として利用するのも
よいでしょう。

(3)災害時に対応できる医療機関を調べておく
現時点で治療を受けている医療機関が、災害によって対応ができなくなることもあり得るのが大
規模災害の恐ろしい所です。仮に自身のかかりつけの医療機関が診療不能な状況になった場合
も想定し、自分の住んでいる場所から一番近い「がん診療連携拠点病院」を探しておくのも、自身
の安心材料をつくる有効な手段となります。同時に、自分の住んでいる場所から一番近い「災害
拠点病院」も把握しておくと、緊急時に有力な相談先になります。

事前に準備することにより、複数の対応方法や時間的余裕をあらかじめつくっておくことは、自身
の気持ちの余裕を生むことにつながり、同時に次の予測を立てやすくすることができます。「がん」
という疾患の特徴と治療の特徴は、り患した人によって違い、常に変化していくので画一的な治療
になりにくいといわれています。手間ははかかりますが、それぞれの事前準備が自分を守る一番
の行動であるということを知っていただきたいと思います。次回も引き続き「がんの治療を受けて
いる人の災害に対する準備」についてご紹介します。

社会福祉士
佐々木

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