前回までお話したように抗がん剤にはさまざまな種類がありました。今回からはそれぞれの
副作用についての対応や現状についてお話していきたいと思います。
抗がん剤による吐き気・嘔吐は大体投与初日から5日目くらいにかけて現れます。

■ 吐き気・嘔吐は3つに分けられる
抗がん剤による吐き気・嘔吐は3つに分けて考えられています。
1. 投与後24時間以内に現れる急性
2. 投与後24時間後から120時間後(5日目)くらいまで続く遅延性
3. 抗がん剤を投与する前から起きてしまうような予測性
一昔前まで、抗がん剤といえば「吐き気・嘔吐がある」という強いイメージがありました。そこま
で長い期間続く副作用ではないにしろ、その影響は強烈で、薬の影響が抜けているはずの期
間であっても「吐き癖」のように長い期間吐き気に苦しまれる人、抗がん剤のことを考えただ
けで、病院に行くことを考えただけで吐いてしまうような予測性嘔吐に悩まされる人もいらっし
ゃいました。

■ 進化した制吐剤
現在、制吐剤とよばれる吐き気をおさえる薬剤の発達によって実際に嘔吐までしてしまう人は
かなり少なくなってきました。抗がん剤の吐き気は神経伝達や脳の働きに関連して発現する
ため、それに応じて消化管の動きを調整する薬、消化管からの吐き気信号をおさえる薬、脳
の吐き気中枢へ直接働きかける薬…と、さまざまな種類の吐き気止めを組み合わせて使わ
れます。
これらの制吐剤は抗がん剤の吐き気の強さにあわせて過不足なく使うようにガイドラインによ
って周知啓蒙されておりどこでも一定水準以上の対策がとれるようになってきています。特に
若い女性で、乗り物酔いやつわりの経験がある人については吐き気のリスクが強いと言われ
ていますので、治療を受ける際に心配な人は医師や薬剤師、看護師に制吐剤についてよく相
談されて臨まれるとよいでしょう。

■ 日常生活でも工夫を
それでも治療後は胸焼けのような悪心、食欲不振に悩まされる人は今でも多くいらっしゃいま
す。そういった場合、制吐剤のみでなく日常生活での工夫も大切になってきます。
たとえば治療後5日間は吐き気の出やすい時期ですので食事の量は少なめに、市販の栄養
補助食品を活用して少量の食事で効率よく栄養を摂取するのも効果的です。冷たい水やさっ
ぱりとした油分の少ない食事を選び、温かい料理より冷やした料理が食べやすいとよく言わ
れています。生鮮食品を避けるべきという意見もありますが、基本的には新鮮な食品であれ
ば問題ないとも言われています。この点については主治医とよく相談し、その判断に従ったほ
うがよいでしょう。
服装もからだを締めつけない、ゆったりとした衣服のほうが楽に過ごせるという意見をよくい
ただきます。もし吐き気が出た場合は仰向けよりも横向きになり、からだを曲げて休まれるの
がおすすめです。
もし、治療後に自宅で過ごしたりしているときに、食事や水分がほとんど取れない時期が続く
ようであれば落ち着いて病院に連絡して相談してください。点滴を活用して1日の必要な栄養
素を摂取することは十分に可能です。治療を行っているのだから食べられないのは当たり前
、とおっしゃる人もいらっしゃいますが、我慢してからだが弱ってしまっては治療の継続にも影

響を与えるかもしれません。食事は生活の大切な楽しみでもありますので、諦めず、色々な
対策を試してみましょう。

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薬剤師
深井

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