■脱毛について

抗がん剤の副作用として「脱毛」があることは一般的に知られていることですが、今回改めて考え
てみましょう。抗がん剤は細胞分裂を活発に繰り返すがん細胞を攻撃する役割があるため、同じ
ように活発に増殖している毛母細胞にも影響を及ぼします。脱毛は生命に直結するものではあり
ませんが、暮らしの中では目にとまりやすい部分ですのでないがしろにはできません。

抗がん剤の中でも乳がんや婦人科系に使用される薬には、脱毛する可能性が高く程度が高度に
あり、治療開始から2週間ほどで脱毛が始まり、3週間くらいで抜ける量が増えてきます。脱毛は一
過性であり、抗がん剤治療が完全に終了してから2カ月くらいたってから徐々に生え始め、半年程
たつと元の毛質や毛量に戻るようです。ただし必ずしも元通りになるとは言えないので経過を見て
その時に応じた対処が必要になります。

■治療が始まる前にできること

治療が始まる前にどのような副作用がどのような時期に出るのかある程度は予測ができるため、
準備できることもあります。なによりも今までの生活スタイルを少しでも維持しながらも、治療に前
向きに取り組めるように準備しましょう。

頭髪に関しては、医療用のウイッグ(かつら)がありますので必要時は購入することができます。
治療前に自分の髪質や色、長さ、形などを合わせて用意しておくと心強いです。帽子は、室内用と
外出用のものを分けていくつか準備しておくと便利です。

見落としがちなのが眉毛やまつ毛についてですが、眉毛は顔の印象を大きく左右するので多少は
描いたほうが表情ははっきりとします。治療前に自分の顔の写真を撮っておき、長さや太さのバラ
ンスを参考に描いてみたり、また眉用のスケールを購入してみるのもよいかと思います。まつ毛は
、これもないと不便なものでゴミが入ったり眩しすぎたりとするようです。そのようなときは眼鏡をか
けてみたり、つばのある帽子をかぶったりといろいろ工夫してみましょう。

■洗髪について

頭は人間にとって一番大切な器官の一つですので頭髪で覆われ、また皮脂も多く分泌されます。
抗がん剤治療中は頭髪がなくても皮脂は分泌されますので、通常通りシャンプーします。洗うとき
は、直接つけてしまわず、手に取って泡立ててから優しく洗うとより洗浄効果があがります。抜け
毛が多い時はよくブラッシングし、排水溝につまったりしないよう使い捨てのネットをかけておくな
どすると後の処理が楽です。

■タオル帽子について

タオル帽子とは、その字のごとくタオルで作成された帽子のことであり、私もボランティアでこの帽
子を作成していたことがあります。このような活動は広まりつつあり、病院でも紹介しているところ
もありますのでご興味のある人はぜひ検索してみてください。フワフワなタオル、薄手のタオル、と
さまざまな手触りがあり、ベットで横になるときなど、バンダナは定番ですが時にはタオル帽子を
かぶるのも一つの手です。自分の生活スタイルに合うものがきっとあるはずですので、何か疑問
点などがありましたら近くにいる看護師に声をかけてみてください。患者さんのよりよい暮らしのた
めに一緒に考えてくれるはずです。何よりもどんなことでも一人で悩まずに相談することが長い治

療を乗り越える力になります。
その力はあなた自身に備わっているはずですので希望を胸にがんばりましょう。

看護師・保健師
舘野
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