■AYA世代とは

先日、近くの病院で催されているがん研究会に行ってきました。その時のテーマが「AYA世代の白血病について」であり、小児科・麻酔科(痛みのコントロール)の医師や看護師が中心となり話題を広げてくださり、示唆に富んだ内容となりました。

AYAとは、「Adolescent and Young Adult(思春期や若年成人)」の略で、一般的に15歳から39歳ぐらいまでの年齢層の人を指しています。なぜこのような世代を大切にするのか、少し特徴を説明いたします。小児科での対象年齢は中学校までですが、私が小児科で看護師をしていた時も成人した患者さんがいました。なぜかというと小さい頃から担当医との信頼関係が続いており、本人が希望することにより大人になっても「小児科」という診療科で診ているのです。もちろん、入院するときには小児科ではなく各科の診療科に移り、例えば血液疾患であれば血液内科の病棟で小児科の医師が診療をするという形になります。

※画像提供:adamkontorによるPixabayからの画像

■若いからこその悩みや不安

AYA世代の患者さんはこのように小児期から成人期の移行期にある患者である場合もあれば、成人してからがんとなりAYA世代のがん患者さんとなる人もいます。いずれの場合もAYA世代は、学業、就職、恋愛、結婚、出産など、さまざまなライフイベントが集中する時期です。同世代の人たちが学校生活や就職活動に励み、恋愛や友人との付き合いを楽しむ中、「がん」という病気を抱え、将来に対する不安や孤独を感じている人も少なくありません。私は看護師としてこのような患者さんと向き合っているうちに元々あった精神科への興味が深まり、小児科から精神科へ移りました。AYA世代の患者であっても一人の普通の若者であるため、看護師は時にはいつもそばにいる友人のように悩みを相談できる相手でありたいものです。

■AYA世代のがん患者さんの思い

AYA世代のがん患者さんには、この年代特有の思いから周囲の人を悲しませたくない、心配をかけたくない、自分の弱さを見られたくない、と悩みや不安を抱え込んでしまう人がいます。もちろんそのような人ばかりではなく、入院してからも多くの友人や家族に囲まれ元来の明るさで過ごされる人もいますので一概には言えませんが、どのような状況であっても心の中の葛藤は少なからずあるものです。

■AYA世代を取り巻く近況

近年では若いスポーツ選手が白血病であることを明かし、治療に専念する様子が報道されました。このような影響力のある人が病に負けず懸命に戦う様子は、同じAYA世代の患者さんをどんなに勇気付けたことかと思います。また、世の中に若くして病とともにある人々への理解を促すことにもつながっていることでしょう。彼女の一日も早い回復を祈るとともに、元気に活躍する日を心待ちにしています。

白血病は血液のがんであり、入退院を繰り返しながらも年単位の治療になる病気ですが、現在では化学療法や造血幹細胞移植の進歩により、多くは完治することが可能であると言えます。それでも長い治療期間の中で学業や仕事など、もしかしたらあきらめなければならない状況がやってくるかもしれません。そのような時同じような悩みや葛藤を持つ仲間がいたら心強いはずです。ピアサポートの仲間との交流も少しずつ広まってきていますし、この世代特有の悩みに強い職種もいますので困っていることがあったら近くの医療者に相談してみてください。そして今回「AYA世代」という言葉を初めて聞いた人もいるかと思いますが、このようなキーワードを知っていると情報が集まりやすいので頭の片隅にでも入れていただけたら幸いです。

参考サイト
https://aya-life.jp/index.html

看護師・保健師
舘野
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