■がん薬物療法について

「がん」を治療するときは、手術・放射線治療・がん薬物療法の集学的治療が医師から提案されます。その中で、がん薬物療法(抗がん薬)についてお伝えしていきます。

がん薬物療法の目的は、根治目的(集中治療的化学療法:白血病など)、根治の補助目的(術前・術後補助化学療法、化学放射線療法:切除可能非小細胞肺がん、局所進行食道がんなど)、延命と生活の質の維持と向上(姑息的薬物療法:進行肺がん、進行大腸がんなど)と、患者さん個人ごとに治療の目的・目標は異なります。

以前は、抗がん剤と呼んでいましたが、現代の薬物療法の進歩により、様々な種類の薬物が認可され、多くの治療法が採用されています。そのため、以下の薬剤を総称して、抗がん薬と呼ぶことも多くなってきました。

1.殺細胞性抗がん薬:腫瘍をやっつけると同時に、腫瘍のない部位もダメージを与えてしまう薬剤
2.分子標的治療薬:がんに過剰発現したタンパク質を狙い撃ちし、腫瘍細胞だけをターゲットにする薬剤
3.内分泌療法:ホルモンに依存するがんに対し、抗ホルモン治療薬を投与し、腫瘍が増えないようにする治療薬。ホルモン環境の変動により、更年期要症状、関節痛等が出ることがある薬剤
4.免疫チェックポイント阻害薬:自己免疫のメカニズムを研究して開発された新しい薬剤

■がん薬物療法による副作用について

「抗がん薬」と聞いて、どのようなイメージを思い浮かべますか?
インターネットやSNSなどの情報網の発達、ここ数年は有名人の「がん」の公表が続き、連日テレビでもがんの病気や治療に関する報道が流れていました。そのこともあるためか、病状説明の前には、山ほどの情報を抱えて困っていらっしゃる患者さん・ご家族に出会うことがあります。

そのため、病状・治療方針の説明時は、看護師も同席し、その情報を共有させていただくことがあります。診察後に、プライバシーの保てる空間で、パンフレットを用いながら治療の流れの確認、起こりうる副作用の説明、薬剤や治療の流れに関するパンフレットをお渡ししながら、緊急時の連絡先もお伝えさせていただいています。

下表は、主な副作用の出る可能性のあるものです。

■まずは1コース目の治療を乗りこえましょう

看護師となり、がん患者さんと関わるようになり15年以上の経験があります。現在に至るまで、病状告知や治療方針説明のあとの看護師面談の場面や日々の関わり、治療当日の体調確認などの会話で、何人もの人に問いかけられました。
「がんになったことのないあなたに何がわかるの?」「この苦しさは私にしか分からないの。だから、言ってもわからないでしょ?」

このような問いかけにあった時は、まず耳を傾け、「〇〇さんがおっしゃる通り、わたしはがんにり患していません。しかし、〇〇さんのつらい気持ちや症状を少しでも楽になるよう、お力になれることがあればなんでもおっしゃってください」と言い関わらせていただき、つらい症状を少しでも最小にしながら普段どおりの生活を遅れるよう、サポートさせていただいています。

引用・参考文献
1)国立がん研究センターがん情報サイト 
化学療法(薬物療法)
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/drug_therapy.html
化学療法全般について
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/attention/chemotherapy/about_chemotherapy.html
2019年5月9日閲覧
2)佐々木治一郎、益田典幸監修、がん薬物療法の看護、p14-18  2018.12 第1版 ヴァンメディカル
3)22.(142).YORi-SOUがんナーシング.2019 Vol 9 No2

がん化学療法看護認定看護師
かみうせ まゆ
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