がん治療に対する患者様と医師の知識の差が生む弊害はそれだけではありません。

お医者様は患者様のがん治療に対して最善の方法を選択してくれます。明確なエビデンスに基づきより確率の高い治療方法を選択し、それを行ってくれています。
しかし、がん治療というのは最善の治療方法を行ったからといって必ず治るものではありません。

今、2人に1人ががんになって、3人に1人ががんで亡くなる時代です。
つまり、最善と思える治療だけでは、治らない人の方がはるかに多いということです。
「ステージ1~2で転移がありません」と言われ手術を行ったとしても、再発をする患者様は後を絶ちません。その再発をする患者様のほとんどは手術の前から転移があって、それが小さかったからPET-CTなどに映らなかったものが大きくなって見つかったものです。
つまり「ステージ4にも関わらず、ステージ1です。」と言われたということです。これは誤診でもなんでもありません。今の保険医療の限界なのだから仕方がないことです。

でも、「ステージ1~2で転移がなかったので、手術後はそのままで大丈夫」と思って過ごすのと、「ステージ1~2と診断されても、今の医学では小さながんが見つからないだけで、実はステージ4かもしれない」と思ってその時点で可能な限り治療を行うのとでは、その後の余命は大きく違うものになるかもしれません。

「ステージ4にも関わらず、ステージ1~2」と言われた人は、「転移があるけど、PET-CTなどに映らないくらい小さな転移があって、医師は見つけることが出来ないでいる」という人です。これを5年間の定期検査で過ごすということは、「転移先にあるがんがPET-CTなどに映る1センチ近い大きさになるのを待つ」ということです。

具体的に言うと、がん細胞は1センチの大きさで大体10億個ぐらいの個数があると言われています。半径が半分の5ミリだと1.3億個ぐらいです。
2.5ミリだと1,600個、1.2ミリだと200個ぐらいです。

200個のがんが転移していても、10億個のがんが転移していても本当はステージ4です。
ただ、200個のがんの転移はPET-CTなどに映らないので、ステージは1と言われたりします。
ただ、200個でも転移があれば、全身に飛んでいるはずなので全身にする治療が必要なはずです。
その200個やもっと少ない数の転移の状態で薬による全身治療を行うと完治出来るかもしれないがんも、1センチ、つまり1.3億個に成長するのを5年待つというのは、より治りにくい状態になるのを待つということです。

仮に全身に投与するがんを殺す薬があるとして、200個のがんを殺すのと1.3億個のがんを殺すのはどっちが簡単なのかは明らかです。

つづく

がん専門コンサルタント
竹内 規夫

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