日ごろから冷静な人を別人に変えてしまうのが「がん」。
そして、そんなときにこそ家族やパートナーなど、
患者を取り巻く人の有りようがあらためて問われてきます。
命に関わる病気は、もちろん「がん」だけではありません。
しかし、「早期がんだから、9割の人が助かっています」と言われても、
「いやいや自分は助からない人の1割になるに違いない」
考えてしまう人が非常に多いのです。

これは大変残念なことで、
「自分は大丈夫だ」と希望を持って生きる人とは、
その後の経過が全然違うといってもいいのです。​​​​​​​
笑って、前向きに過ごすことが、体に与える影響は計り知れません。
患者本人のがんばりと、周りの温かいサポートによって、
信じられないような出来事が起こることに幾度となく接してきました。
その意味では、患者さんの思いを受け止め、
寄り添えるご家族の存在もまた、この上ない力となります。

確かに、
告知の直後は、衝撃を受け、絶望したり、怒り出したり、
がんであるはずがないと否認したり。
その後は、不安、不眠、食欲不振など
日常生活に支障をきたす症状に多くの人が悩まされることになります。
しかし、この状態がずっと続くことはほとんどなく、
大半の人は、ほぼ2週間で落ち着いてきます。
大切なのは、「そこから先の人生をどのように生きていくのか」なのです。
がんになるということは、本人にとってはもちろん、
家族や友人にとっても大きな出来事です。

ですから、今あるこの状況の中で、
精神的にも肉体的にも最も軽いダメージで済ませるには
どうしたらよいかを考えていただきたいと思うのです。
とにかく頭を切り替えて、「生きるか、死ぬか」といった
二択の結論から目をそらすことが大切。
日々の仕事や生活、自分の生きがいなどに集中したり、
没頭したりするのでもいいでしょう。

がんは交通事故や心筋梗塞、脳梗塞などで
突然死んでしまうことに比べれば、
期限付きであるからこそ、残された時間を
充実させる道が残されています。
がんにならなかったら、自分にどれだけの時間が残されているのか
全く知る余地もありません。
がんは2人に1人がり患する時代です。
「自分の命を後悔なくまっとうする」
これは、私の個人的な目標ですが、

全ての人の目標にもして欲しいと思っています。

看護師
かたおか さちこ

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