今回は引き続き抗がん剤の副作用について話していきます。骨髄抑制とは主に殺細胞
性抗がん剤によく見られる副作用で、骨髄での白血球・赤血球・血小板などの血液の
成分をつくる能力が下がってしまうことをいいます。以前お話したように、殺細胞性
抗がん剤は分裂・増殖の盛んな細胞に強く働きかける特性があり、分裂・増殖の盛ん
な骨髄細胞はその影響を強く受けます。一部の分子標的薬にも骨髄抑制が生じるタイ
プがあります。

■ 好中球が減少する時期はある程度予測できる
血液の中で免疫機能をつかさどる白血球には顆粒球、単球、リンパ球と種類があり、
顆粒球には好中球、好酸球、好塩基球が含まれます。このなかで好中球は外部から侵
入してきた細菌やカビをとりこみ殺菌を行うことで感染を防ぐ役割を果たしています
。通常、白血球は血液の中に4000〜8000個/1μL、好中球は2000〜7000個/1μLほど含
まれていますが、この数は白血球が2000個/μL以下、好中球が1000個/μL以下となると
感染の頻度が増加すると言われています。

■ 発熱性好中球減少症とは
好中球の寿命は4−5日間と言われていますが、新しい細胞の供給が抗がん剤で壊れて
いくスピードに追いつかない場合に減少します。抗がん剤を投与して7−14日後ごろに
その数は最低値となり、大体その後7−10日間かけてもとに戻っていきます。ではこの
間、どんな症状があるでしょうか。実は自覚症状は全くありません。ご自分で今「あ
、白血球が減ってきたな」という感覚を得ることもできません。ですが、好中球が減
っている状態では、普段の状態なら絶対に負けることがないようなちょっとした細菌
が体内に入ってきただけで高熱をきたしたりすることがあります。特に好中球数が減
った状態で起きてしまう37.5℃(脇の下での測定温度)以上の発熱は「発熱性好中球
減少症」と呼ばれ、時に重篤で致死的な状況に陥ります。そうならないためにまず感
染経路の遮断が大切になってきます。

■ 自分でできる感染対策
まずは基本の手洗い・うがいを行うこと。室内・からだ・衣服は清潔にして、食事は
新鮮な食材を選びましょう。外出時にはマスクの活用やなるべく人混みに行かない工
夫も大切です。常にインフルエンザが大流行している時期だと思って暮らしていただ
くと良いかもしれません。また、体温は毎日きちんと測り日々の変動から感染の兆候
が分かるようにすると良いでしょう。よく聞かれますが残念ながら好中球を特別増や
す効果のある食べ物やサプリなどは現在ありません。病院で皮下注射をすることで白
血球を増やす薬剤はありますが、高額であることも踏まえて必要性の高い状況に限定
して使用すべきだと言われているのが現状です。強いて言えば、きちんとバランスよ
く食べ、適度な運動と十分な睡眠という、基本的な生活をしていただくのがよろしい
かと思われます。

もし発熱してしまった場合、主治医からの発熱時の頓用する薬の指示などがあればそ
れに従いましょう。もしなくても、がん化学療法中に高い熱が出た場合は主治医へ相
談することがすすめられます。
この好中球数が回復してこないためにがん化学療法のスケジュールが遅延することは
正直よくあることです。治療できないためにフラストレーションや焦りを感じる人も
いらっしゃいますが、回復しきっていない無理な状況での治療はかえって逆効果にな
りかねません。今回の記事の内容をご理解し、よく休み、次にそなえていただければ
と思います。

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薬剤師
深井

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