今回は前回、概論で説明した酵素について検査項目ごとに説明していきたいと思い
ます。

■酵素
1. AST(GOT) アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ 基準値:8 ~ 33 U/L
ALT(GPT) アラニンアミノトランスフェラーゼ     基準値:4 ~ 45 U/L

1.-1 AST、ALTとは?
AST、ALTともに体内のアミノ酸と別の物質の反応を手助けする一連の酵素になりま
す。しかし、体内の組織や臓器への分布の割合が異なり、ASTは主に肝臓や心筋、脳
に高濃度に分布し、次いで骨格筋や赤血球、腎臓となります。ALTの場合はそのほと
んどが肝臓に分布し、残りの約1/3程度が腎臓となります。そのため、どちらも肝臓
の疾患の指標として用いられるが、ASTは分布が限定的ではないため、ALTと比較し
ながら評価されることが多いです。

1.-2 異常と原因
どちらの酵素も臓器や組織に障害が起こった際に血中に多く出てくるが、その濃度
が薄くなっていく時間が異なるため、検査結果を以下のような比でみることにより
診断されます。
AST<ALTの場合、急性肝炎、肝癌、肝硬変、脂肪肝など
AST>ALTの場合、慢性肝炎、胆汁うっ滞、アルコール性肝障害、脂肪肝、心筋梗塞
など
2. γ-GT(γ-GTP) γ-グルタミルトランスペプチダーゼ 基準値:10 ~ 47
U/L
2.-1 γ-GTとは?
上記のASTやALT、同様に体内での物質と物質の反応を手助けする酵素になります。
体内での分布では腎臓、膵臓、肝臓の順に多く、残りは血球や血清等に存在します
。しかし、血清中のγ-GTは肝蔵、胆道、膵臓に由来するものになります。

2.-2 異常と原因
一般的には飲酒による高値が広く知られていますが、他に重要な原因として非アル
コール性肝障害(NASH)や胆汁の逆流によるγ-GTの遊出などがあります。
高値の場合、アルコール性肝障害、非アルコール性肝障害、閉塞性黄疸、胆汁うっ
滞、急性・慢性肝炎など

3. ALP アルカリフォスファターゼ 基準値:115 ~ 359 U/L
3.-1 ALPとは?
この酵素はよく反応するpHがアルカリ側となり、糖蛋白の分解を手助けする酵素に
なります。また、ALPにはいくつか種類があり(アイソザイムと言う)、体内での分
布としては腎臓、骨、小腸、胎盤などに比較的多く存在し、その他に肝臓や膵臓な
どにも分布しています。

3.-2 異常と原因
一般的には胆道系疾患や骨疾患などの指標とされますが、体内での分布が広いため
に原因となる部位を特定するためにアイソザイムを測定することで突き止めます。
高値となる疾患としては、骨疾患(クル病、悪性骨腫瘍、副甲状腺機能亢進症)、
肝胆道系疾患(閉塞性黄疸、肝疾患、肝臓癌、胆管癌など)が挙げられます。また
、異常ではありませんがその他の高値になる原因として小児期や妊娠後期なども挙
げられます。

4.まとめ
今回は酵素項目について説明しました。今回で生化学関連の検査項目はひととおり
説明が終わりました。次回からは血液関連の検査項目について説明していきたいと
思います。

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朝野

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