今回は抗がん剤による下痢についてお話したいと思います。排泄物のお話で、
少しおおっぴらに話すのは抵抗がある人も当然いらっしゃいますが、おさえて
おきたい副作用のひとつです。

■ 理解されにくく苦しい下痢症状
おなかを壊して1日に何度もトイレに通う、誰しも1度は経験があるかもしれ
ませんが、非常につらいことです。仕事や家事にも差し支えてしまいますし、
便意は待ってくれません。しかも重度の下痢では水分と電解質を大量に喪失し
てしまううえ、腸内壁の粘膜のバリアが破綻してしまうため細菌にも弱くなり
感染症の危険も増してしまいます。医療者側は下痢の重症度を普段の排便回数
からどれくらい増えたのかを一つの尺度とします。下痢の具合を相談してくだ
さるときは普段と比べて何回くらい便の回数が増えたのかと、便の状態(柔ら
かめなのか、泥状なのか、ほぼ水なのか)を教えてくださるとスムーズでしょ
う。

■ 注意したい早発性下痢とさまざまな抗がん剤で起きる遅発性下痢
下痢にも起きやすいタイミングがあり、抗がん剤を投与したその日のうちに起
きる早発性と、投与数日後〜10日ごろにかけて起きる遅発性下痢に分けられま
す。このうち早発性下痢は「イリノテカン」という抗がん剤の特徴的な副作用
であり、消化管の副交感神経が刺激されることによって生じ、ギュルギュルと
したお腹が動くような痛みと、冷や汗や水っ鼻などを伴うことがあります。そ
の仕組みから普通の下痢止めよりも副交感神経に働く薬剤が、より効果的です
。症状が見られる場合は医師や薬剤師にぜひ相談してみてください。効果は人
によって分かれますが、自分でできる範囲の対策ならば、アルカリイオン水を
イリノテカンの前後でよく飲むと改善が見られる人もいます。

一方、遅発性下痢はさまざまな抗がん剤に広く起きる副作用で、腸管の粘膜が
抗がん剤により障害されることが大きな原因となります。この場合、止痢剤と
いわれる下痢止めが有効ですが、腸炎や感染症の危険がないことを確認するこ
とは大切です。感染による下痢の場合、細菌を出し切るという意味でも下痢を
止めることは逆効果になりかねません。市販薬で対応せずに医療機関で確認し
てもらうのが良いでしょう。

■ 日常での注意点

便のことですから、症状を悪化させないためには食べ物に注意することは大切
です。脂肪の多い食品やアルコール、辛みの強い香辛料がたっぷり使われたも
のなどはやはり下痢をひどくする恐れがあります。服装もあまり腹部をきつく
締め付けるようなものよりは、ゆったりとした衣類が好ましいでしょう。お腹
を冷やさず温めるようにし、もし下痢をしてしまった場合はスポーツ飲料など
で水分とミネラルをきちんと補充するよう心がけてください。
適切な対策で少しでも普段の日常通りの生活が送れる、影響のない程度に医療
者とご本人とで連携して症状をおさえていけると良いですね。

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薬剤師
深井

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