がん遺伝子治療についてご存知でしょうか。

遺伝子治療とは、正常に機能しなくなった細胞を直接治療することで遺伝子のレベルでさまざまな疾患に働きかける、最先端の医療技術です。このがん遺伝子治療は、それのみの治療も行えますが、がんの三大標準治療(外科的手術、抗がん剤治療、放射線治療)と併用することもできます。併用することで再発を防止する確率が上がるとも言われています。

たとえば、『子宮頸がん』の標準治療法は以下の4項目があげられます。

(1)手術によるリンパ節を含む病巣の摘出
(2)抗がん剤治療
(3)放射線治療
(4)薬物療法

は病巣部分のみに焦点をあてて行う局所治療となります。
(3)(4)は内服あるいは点滴による全身治療となります。

がんのグレード(がん細胞の分化度、異型度のこと)、進行度(ステージ)、発症の部位や転移の有無などを確認し、これらの治療法を組み合わせ治療を進めます。

子宮は中が空洞(子宮腔)の西洋梨のような形をしており胎児が宿る球形の体部(上方)と膣につながる細い頸部(下方)から成ります。子宮頸がんは子宮の入り口にある子宮口から頸部に発生します。原因とされるヒトパピローマウイルスによる持続感染により、5〜10年かけて、軽度→中度→高度異形成をへてがん化するといわれています。初期には症状がなく、進行に伴い不正出血、悪臭を伴う帯下、下腹部痛、腰痛、下肢の浮腫みなどが発現します。

子宮頸がんの場合は、がんの進行度によって手術による摘出部位が変わります。進行が初期の場合は子宮は温存する、子宮頸部円錐切除術が行われます。進行が進むと子宮摘出術、また子宮から骨盤に転移がみられると子宮摘出術と骨盤リンパ節郭清が行われます。

そして、子宮頸部から卵巣を含め転移のある場合にはそれら含めて摘出をし、放射線治療と化学療法を組み合わせた治療を行います。がんが膣壁の3分の1、または骨盤壁に達している場合には外科的な治療は行わず、化学療法、放射線治療を単独で行います。肺などに遠隔転移がみられる場合には原則として薬物療法を行います。

患者さんの治療の進め方は、がんの進行度、転移の有無、などにより変わってきます。そのため、患者さんにとって必要なことは正しい知識を持つことと複数ある選択肢を知ることではないでしょうか。

先に述べた4項目の標準治療は保険診療の対象とされています。保険診療の対象とされる治療法になるまでには一定数のエビデンスが必要です。その途中にある治療法には、ウィルス療法、IPS細胞を使用した医療技術、がん遺伝子治療などがあります。これらの治療法は新しい治療法として今後を嘱望されています。

また、がん遺伝子治療は自由診療となるため、医療機関や主治医の先生とより深く質の良いインフォームドコンセントが必須です。またがん遺伝子治療を行う医療機関にセカンドオピニオンとしての役割を求めることも選択肢を増やすことにつながるかと思います。

がん遺伝子治療はまだまだ開発中の治療法です。日本人は海外と比べると受動的な医療環境と表現されることもあります。気になった症例のことなどは医療機関に相談し、正しい知識を持ち、安心して治療に臨むことのできる環境を整えていただきたいと思います。

保健師/看護師
石毛 陽子

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